会社の規則・規程が細かすぎるのは

会社の中には様々な規則(ルール)がある。ベースには労働基準法があり、それに則った形で就業規則が定められている。就業規則を受けて、さらに細かい規程がいくつも定められている。

 

時代に合わせてそれらも改廃をされていくわけだが、中にはやたらと細かい規則を定めている会社がある。もちろん必要だからであろうが、中にはがんじがらめのような規則も少なくない。

 

何だか例外的なことが出てくるたびに、付け加えていったような感じがする規則・規程もある。また昨今は、企業のコンプライアンスが叫ばれていて、コンプライアンスをしっかり守るためにさらに細かくなっている事例もある。

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先日もある会社から依頼を受けて、来春からの就業規則変更やそれに伴う細則・規程の変更についてサポート要請があり、訪問してきた。いやぁ、びっくりした、何と規則・規程の多いこと、山盛りって感じであった。

 

昼ごはんが終わっての休憩時間に社員の数人に尋ねてみた。そうしたところ、やはり予想通りという答が返ってきた。まずは規則・規程が多すぎて、よく分からないとのこと。さらに時々変更(追加)されるということ。

 

私から言わせれば、多すぎる規則・規程は「自由度を損なう」ものだし、社員の思考や行動を制限する以外のなにものでもない。もちろん、賃金規程など定めなければならないものもあるが。

 

総じて言うならば、規則・規程を次々に定める会社は企業体質として現状維持的である。何しろ新しい発想や、それに基づく活動をどんどん縛っていくのだから、現状維持的にならざるを得ないだろう。

 

前向きに新しい発想をする社員がいても、規則に照らし合わせて「それは(やっては)ダメだ」とか、そのやり方は「規程にない」からダメだというのである。これでは、現状打破などやろうとしてもできないだろう。

 

さらにくだんの会社でいうと、規則・規程を改めるための会議がやたらと多いのである。なんでも、社員の(みんなの)声を広く聞く為なのだという。アホらしい、要するに「議論封じ」だろう。

 

全員が参加することで、「聞いた」「聞いていない」といったことを防いでいるわけで、さらには全員一致で決めておけば何にも言えなくなるわけだ。どうせ、トップのあらかじめ決めている通りになるのだから。

 

私は感じたことを、社長と総務担当の取締役に表現は柔らかくして申し上げたが、どうも通じている様子はなかった。社員のためにならないなぁと思いつつ、それ以上は私が言うべきことでもないのでやめた。

 

ただ最後にこう言い残して会社を出た。「規則や規程も大事ですが、社員の皆さんのやる気を削ぐようなことだけは避けて下さい。」と。

 

多分、ダメだろうなぁ、ふうっ。

ベンチャー経営者に告ぐ

ベンチャー、とくに学生ベンチャーが各地で脚光を浴びているようだ。私がかつて住んでいた長岡市でも、市内の技術科学大学や造形大学の学生が起業する例を見てきた。

 

これそれ自体は大いにけっこうで、歓迎すべきことだ。大いに奨励し、支援していくことも必要だろう。それによって、新しい技術や製品が力を発揮してくれて、暮らしや企業に役立ってくれると良い。

 

事実、各方面から注目される企業も生まれており、発展の道を歩み始めた会社も少なくない。地方から中央へと進出していく事例も、いくつか見られるようだ。あるいは大手企業の支援を得られている例もある。

 

そこからまた新たな創造が生まれていくようであれば、なお素晴らしいことだ。そういう方向に向き始めている例はまだまだ少ないようだが、これから修験してくる期待も大きい。

 

ただし、諸手を挙げて良かった良かったと言えるわけではない。起業して数年はいいのだが、そこで壁にぶつかってしまう事例が少なくない。いや、技術やアイディア、製品が受け容れられなくなったわけではない。

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むしろその逆に、さらに需要が伸びて売上高が右肩上がりになっている。引き合いも多いが、まだ体制が整わないが為に対応ができないでいる事例もあるようだ。

 

問題はどこにあるのだろう、大きく2つくらいを挙げることができる。

 

1つは、既に書いたように体制が整わないことだ。起業して一人で全てをこなせるのは最初の内だけで、発展のペースに入れば組織の整備も必要になってくる。とても1人や2人では手に負えなくなる。

 

それもうまくいって軌道に乗り始めると、2つめの問題が出始める。それがキャッシュフローだ。当初は公的支援の利用も可能だったり、有望起業に対しての融資も受けられる。

 

しかし支援には限りがあるし、融資は一定の期限が来れば、元金の返済という状況が待っている。また、製品・商品の販売を業としていると、売上が増えれば仕入も増していくので、資金需要が自ずと増えていく。

 

ところがベンチャー経営者は、みんながそうだというわけではないが、技術的なこと、アイディア創造や応用には強いが、経営特に会計・経理的なことには疎いという人が多い。

 

右腕としてその方面に長けている人材が側にいればいいが、創業・起業時にはそこまで頭が回らない。回らなくても当面はキャッシュが回っているのだが、その瞬間は突然にやってくるかも知れない。

 

そんなわけで、あたら素晴らしい会社がある日突然に行き詰まったりする。それによって、先端技術が消えていったりしてはもったいないことだ。支援する機関を作る動きが出てきたところもあるが、まだ少ない。

 

これはやはり、ベンチャー経営者自身が最低限の実践知識を身につけるしかない。ややこしいこと、専門的なことは例えば税理士に任せばいいが、日常必要なことは自らやること、もしくは相棒を持つことが大切だ。

 

あなたの持つ素晴らしい技術、アイディア、製品・商品を世の中に広めて役立たせるために、専門外のことと忌み嫌わずに、会計特にキャッシュフローの実践知識は身につけてほしいものだ。

感動のない会社に未来はない

あなたの会社の「売り」はなんですか。

 

色んな答が返って参ります。商品やサービス、品質や価格、イメージやブランド、エトセトラ。たまには「社員です」と胸を張る経営者もいらっしゃるようですが。いずれも当たり前の、無難な答ですね。

 

答がないよりはマシというところでしょうか。確かに何一つ「売り」がない、あるいは経営者や社員が自信を持って答えられないようでは、困りものというモノですから。

 

しかし、意地悪な私は「それだけですか?」とついつい言ってしまいたくなるのです。だってそうでしょう、それらは至極当然のもので、どれは一つくらいなければ困るでしょうに。

 

だけど、その「売り」は誰にも真似ができませんか? 世界でたった一つ、あなたの会社のモノだけですか?

 

中にはあるでしょうね、オンリーワンの商品、オンリーワンのサービス、オンリーワンのナントカカントカ。他社にはとても真似のできないモノですよと。

 

それはそれでいいのです、当然にあるべきモノですから。ですが、そのモノは「感動」を与えていますか? お客様に感動を、そして何より経営者自身や社員の皆さんの感動を。

 

つまり、感動を創り出しているでしょうか、創り出した感動を世の中に提供できているでしょうか。Photo

 

感動を創る人たちがいて、感動を提供する人がいて、その感動に感動してくれる人がいる。そんな積み重なった仕事になっているでしょうか。

 

単に良いものを作ればいい、いいサービスを提供できればいい、品質が良ければ、価格が適正であればそれでいいだろうなどと、考えてはいないでしょうか。

 

もはやそれらのことは当たり前のことで、それすらできないようでは企業として存在することすら危ぶまれます。さらにその一歩先がなければ、あなたの会社の10年先、いや数年先さえ覚束ないのではありませんか。

 

利益だけを追求していく、そのための良品、付加価値、高いサービス、高品質、ブランド、それだけで将来ずっとお客様から選ばれる会社であり続けられますか。

 

あなたの会社の存在そのものが「感動」であるような、そんな会社を創っていきませんか。お金をかければできるものではありません、それどころか余りお金をかけずともできることならいっぱいあるはずです。

 

小さな会社だからこそ、そこに集まる社員さんと経営者だからこそ、いわゆる『感動経営』を目指すこともできるのではないでしょうか。難しく考える必要はありません、思いつきでもいいからまずやってみることです。

 

やってやってやり続ける、そこにこそ本当の答があるはずです。

定年制など要らないでしょう

少子化と高齢化、どちらも企業経営にとっては頭の痛い問題です。しかし、この現状や将来をどうこうすることはできません。

 

環境条件の変化はありのままに受け容れて、その状況に対して何ができるかを考えて実行していくしかないのです。小さな会社にとっては、限られた対応の中での模索になります。

 

その中で、高齢化への対策はもしかしたら小さな会社だからこそ、できることがあるといえる領域なのかも知れません。

 

ところであなたの会社には、いわゆる高齢の社員はいらっしゃいますか? 今の制度で言うと、65歳以上が高齢者というくくりになっています。

 

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定年制度が厳然としてある会社の場合は、世の中の動きに合わせて定年の延長を何度か行ったり、あるいは最近では再雇用や定年延長を制度化している会社も多いでしょう。

 

そこでいっそのこと定年制などは廃止してしまえと、バッサリとやめてしまう会社も出てきました。その昔とは違い、今の世では60歳どころか65歳でもまだまだバリバリです。

 

健康平均年齢は70代の前半だそうですが、70歳を超えても頭も体も壮健だという方も少なくないはずです。

 

私なども来月67歳になりますが、月の半分くらい県外に出ていることもありますし、セミナーでは半分立ちっぱなし、話のし通しで過ごしています。

 

もちろん、若い時のように無理は利きませんが、適度に休養が取れていれば大丈夫です。おそらく皆さんの会社の高齢の方も、そうではないでしょうか。

 

特に今後ますます年齢が進み、反面年金などの社会保障が厚みを失っていく中では、むしろ「仕事をしたい」方が増えていくのではないでしょうか。

 

小さな会社こそ、その状況に合わせた制度をすぐに取り入れて、彼らを活かしきる企業体制あるいは企業風土をつくるべきです。

 

少なくとも硬直し、老朽化している制度など早めに廃止してしまいませんか。会社にとっても、社員さんにとっても本当にいい制度は何か、今こそがそれを実現していく時です。

 

後継者問題も含めて、10年20年前の考え方ではこれから先の未来はありません。思考の硬直化、行動の遅れは発展を妨げる大きな要因になってしまうでしょう。

 

一度、社員の皆さんと腹を割って話し合ってみませんか。

リース残高は隠れ借金と心得よ

あなたの会社もリースを利用されていることでしょう。昨今はリースの範囲もかなり広がってきていますが、だからというわけで安易にリース契約を結ぶ例もあるようです。

 

よく言われるリースのメリットは、第一にリース料が比較的安いことにあります。特に機械設備の導入などでは初期費用が大きく、リースにすることで負担が軽くなります。

 

またリース料を経費として処理できます。基本的に毎月定額ですので管理もしやすく、自動引き落としなどにしておけば手間もかかりません。

 

リースにせずに購入すると、それらは固定資産として計上されますから、経費として計上できるのは原則として減価償却費のみになります。

 

また、ものによっては固定資産税や自動車税などの税金の納付が必要になり、修繕や日常メンテナンスなどでも企業の負担が避けられません。

 

新しい設備や車などへの入れ替えも、耐用年数に合わせたリース期間を設定しておれば、比較的容易に可能になります。

 

とまぁ、いいことづくめのように見えますが、メリットがあれば当然のようにデメリットもあります。何よりも、リース料は割賦代金よりも高めに設定されています。

 

それは税金やメンテナンスの費用、保険料や金利が加算されるからです。もっとも、上記のメリットを享受するための必要費用と割り切れば別ですが。

 

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また、リース物件は企業の資産ではありません、つまり所有権はリース会社が持っていますから、リース期間が満了後も使うためには再リース契約という形になります。

 

さらに契約の形によっても異なりますが、一般的には中途解約ができません。無理に解約するためには、残債を一括で払うことなどが求められます。

 

もっと注意していただきたいのは、リースとは表に現れない借入金、言い換えれば「隠れ借金」ということです。通常の借入枠の他に設定できる、別の借入と考えることもできます。

 

ですからリース残高(残債)はBS(貸借対照表)には現れません。しかし、もし会社が倒産したら、ちゃんと「負債」額として表示されます。

 

言い方を変えれば、取引相手先のリース残高を把握することも、経営上必要だということにもなります。BSに現れない借金ですから、把握は容易ではありませんが。

 

逆に言うと、会社としてもリース管理つまりリース残高管理が必要だということです。あなたの会社では、管理表を作ってリース満了日や残債をしっかりつかまえていますか。

 

金融機関では、決算時の財務諸表とともにリース残高を求めてくる事例もあるようです。隠れ借金なのですから、当然とも言えます。

 

そんな時に、さっと提出できるかできないかで、あなたの会社の評価が変わります。キチッと目配りしている会社かどうか、判断されてしまいますから要注意。

 

メリット・デメリットを十分に理解し、ただ安易にリース契約を結ぶのではなく、リース物件にするのか設備等の資産として見たほうがいいのか、よく考えたいものです。

 

また最近は「レンタル」も多方面にわたって利用できるようになってきました。このメリット、デメリットも含めて考えていかねばなりませんね。

就業規則の見直しと周知徹底を

就業規則について書いてみる。

 

『常時10人以上の従業員を使用する使用者は、労働基準法(昭和22年法律第49号)第89条の規定により、就業規則を作成し、所轄の労働基準監督 署長に届け出なければならない』

 
じゃぁ、それ以下の小さな会社には必要がないかというと、もちろんそうではない。あなたの会社にはあるでしょうか?

 
先日お目にかかった小さな商店主は、従業員と何かあった時の為に、いざという時のために作っていますと言われていたが、そういうものでもないと思う。

 
確かにそういう場面がもしあった場合に、拠り所になるものはあるが、あくまで「みんなが安心して働ける」為に作っておくのだと、考えていただきたい。

 
もちろん、その前提となっている労働基準法に準拠して作成するわけだが、そこにあなたの会社としての独自性を盛り込んで作っていきたい。

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厚労省のホームページなどにはモデル就業規則が掲載されているが、それをそのままコピーするだけでは、あなたの会社には合わないかも知れない。

 
やはり、あなたの会社の実情とか特徴に合わせて作りかえる必要がある。社長が一人で作るのもいいが、社員さんの意見も聞いて、取り入れるべきは取り入れてもいいだろう。

 
こんなことがあった。ある会社の社員さんが熱を出して当日休もうとした。そこで、同僚にメールを送って「欠勤(有給休暇)の連絡」を行った。

 
ところがそれが総務課長や社長には伝わらず、欠勤した彼は叱責された。就業規則には、「やむを得ず欠勤する際には事前に会社に連絡すること」とあった。

 
あなたはこのケースをどう思う? メールやSNSを日常的に使っている若者には、ありがちというか、それでいいと思っている社員さんもいるのではないか。

 
それは常識的ではない、昔は上司に電話をしたものだなどと目くじらを立ててはいけない。実際、欠勤した彼は規則通り「会社に(メールで)連絡した」のだから。

 
ここは就業規則に、ちゃんと「上司に連絡する」とか「総務課長に連絡する」と明示しておくべきだ。それがないなら、こうした方がいいと諭すのはいいが、叱責まではどうか。

 
さて「働き方改革」の具体的な内容が、来春から施行される。よって、ここで就業規則の見直しが必要になる。余り細かくする必要はないは、盛り込むべき事項は確認しておきたい。

 
細かい詳細については、別途「施行ルール」などを作って徹底させよう。それも含めて、就業規則はいつでもみんなが見られるようにしておかねばならない。

 
つまり周知義務で、それを怠ると「30万円以下の罰金」が科せられる。書面で交付しておくとか、羽即今の共有画面で見られるようにしておくのでもよい。

 
トラブルの元にならないように、しかも「働きやすい会社」であるために、キチンと整備しておいてほしい。それもまた、「人を大切にする経営」の基本であるから。

小さいからこそ本当の人財教育ができる

「採用は自由に」という私感について、こんな意見をいただきました。

 

曰く、採用時期が春4月と決まっていて一斉採用しているから、入社時の集合研修もそれなりの時間・日数をとってできる。また、新入社員への教育が公平平等、かつ横のつながりや同志意識もできて佳いとのこと。

 

この意見を送られた方は大企業、あるいはそこそこの規模で、かなりの人数の採用をされている会社の方ではないかと思われます。これまでの日本企業が、一斉入社・集合教育でそれなりの効果を上げてきたことは事実です。

 

ただ、それがベストだったのかどうかということには、私はいささか疑問を持っています。それはともかく、採用方式が変わり「自由」になったとしても、大企業等の現行方式は余り変わらないでしょう。

 

小さな会社にとっては、そもそも新入社員の集合教育すらできないので、やるとすれば外部研修に委ねることが多いわけです。あるいは何社か合同でという例もありますが、これだと長期間に亘ることはできません。

 

しかし、小さな会社だからこそやれることが、それこそ無数にあるというのが私の考えです。実際、色んな工夫をされて新人教育をしっかりやっている会社を、これまでもたくさん見てきました。

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それこそ、経営者はもちろん先輩社員も一緒になっての「学び合い」です。最初はもちろん経営者や先輩社員が「先生」なのですが、やり進めていくと彼らもまた新人社員から教えられることがいっぱいあることに気付きます。

 

日々の仕事にどっぷり浸かってしまっていると、当たり前だと思い込んでいること、気が付かずに見逃してしまっていることなども、少なくないのです。

 

既成概念を持っていない新人の目や肌感覚は、そんなものをくっきりと浮き彫りにしてくれるでしょう。教育効果とは、教えられる側だけでなく教える側にもあるのだということを、是非とも認識したいモノです。

 

小さな会社の場合には、どうしてもOJTといった実地教育や実践教育が主体になりますが、経営者あるいは先輩自らがテキストを作ることで、仕事の洗い直しができることもあります。

 

小さいからこそ、現場で必要なことを肌身で知っている人たちが、その体験・経験を伝えることができるというモノです。だから、4月入社・一斉教育といったことに、こだわる必要などないのです。

 

大事なことは、「人をどう(人財に)育てるのか」という会社としての方針・方向性を明確に持っていることです。難しい言葉で言えば教育戦略あるいは人(財)づくり戦略でしょうか。

 

大企業の中にも、借り物の教育ロードマップは持っていても、しっかりした戦略を持っているところは一握りしかありません。ある会社の教育体系は、コンサル会社の教育プログラムの焼き直しでした。

 

小さな会社こそ、心を込めて人を育てることができる、そういう気概と信念を持って下さい。もちろん、その前提条件はキチンとした経営理念を持っていることです、お忘れなく。

就活ルール撤廃こそチャンスだぞ

就活の今後の問題について、あちこちで意見が噴出している。経団連会長の発言に対して肯定的なものがあれば、真っ向から対立する意見も少なくない。

 

ハッキリしていることは現状の仕組み、と言っても実は経団連加盟企業(主として大企業・上場企業)がルールを守ることを約束しているのだが、それが一般的な就活ルールとして世間に受け容れられていることも事実。

 

一方でそんなルールには縛られない、むしろ背を向けている企業も多い。外資系などはもちろん、中には年間いつでも採用といった会社も見かける。中小企業だって元気な会社がけっこうある。

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現状ルールはもちろん、どんなルールでもいいからあったほうがいいというのが、上記の「反対意見」の主流になっている。そうでないと歯止めが利かない、青田買いの横行で大変なことになると。

 

果たしてそうだろうか、採用にだって企業は多大なコストをかけるわけだが、効率の良いコストのかけ方をしようと努力する。青田買い、すなわち採用活動を始める時期を早めるにもコスト効率が歯止めになるだろう。

 

むしろルールなどない方が企業努力がなされて、より良い採用活動、すなわち企業にも学生にもメリットがある状況になるという考え方もある。企業格差が出ると心配する向きもあるが、それは杞憂だと思うのだ。

 

現状だって、大企業などには負けない人材確保を毎年続けている中小企業も少なくない。人気企業では、採用予定人数の100倍、1000倍の応募者があるとも聞く。やりかた、努力次第だろう。

 

それで企業間格差が出るのはやむを得まい。中小企業家同友会などの合同企業説明会なども、これまでのやり方から脱皮しなければいけないだろう。ネットの活用も大きな課題だ。

 

また大学側などは、現状のようなルールがないと学業に支障が出るからとおっしゃる。これもまた、違う次元の事柄を同じ土俵に上げて無理矢理結びつけようとするモノに過ぎない。

 

早く就職先が決まれば、それだけ学業に打ち込める時間が増えるというものではないのか。理科系なら、実験や研究活動に打ち込める時間が、かえって増えて良いのではないか。

 

学生たちが勉強しなくなるというのは、そもそもその大学の授業に魅力がないからではないのか。これからますます大学間の格差が出てくるだろう。淘汰される学校が出てくる、それもまた当然の摂理であろう。

 

どんなことがあっても出たい授業なら、学生は就活行事を蹴飛ばしてでも参加するのではないか。行事欠席がそういう理由であって、それを良しとしない企業があったら、そんな会社には就職する価値がないということだ。

 

就活ルール無しの時代が来ればラッキーだ、会社の将来のためにぜひとも佳い人材をとってやるぞ、小さな会社もそういう気概と現状打破の心をもってほしい。

 

大きな会社と同じ土俵で戦うのではない、学生たちがやってくる独自の土俵をちゃんと用意して、会社の理念や将来像を社長自身あるいは社員自身の言葉でしっかり発信してほしい。

 

必ず佳い人材がやってくる。彼らに対して、あなたを「当社の柱」となるようずっと育てていくという信念を、熱意を込めて語りかけるのだ。成功のイメージを持って前向きにいこう。

経営理念は企業の最高戦略

再び、三度、経営理念である。

 

というのも、最近また経営理念をキチンと作ろうという会社とのご縁ができたからだ。有り体に言えば、その会社はこれまで経営理念を意識してはいたが、作ってはいなかったのだ。

 

そこで、新年度を期して経営理念を制定して、会社の進むべき道をしっかりと示し、全社員とともに歩んで行くことを目指していこうとなったわけだ。

 

素晴らしいことだと思うと同時に、サポートさせていただくことに感謝をしている。これまでも何社か、理念づくりや経営理念を含む経営計画の見直しにタッチしたが、これを機会に私自身も再度学び直してみたい。

 

言うまでもないが、経営理念は企業の最高戦略であり、会社として目指す方向だけでなく、その存在価値をも世の中に示すものである。企業活動の大本であり、羅針盤であり、心の拠り所だと言ってよい。

 

ということは、企業理念がないということは、目指す方向が曖昧模糊であり、存在価値を明示していないということになる。羅針盤がないので迷う可能性があることにもつながる。

 

もっとも、色んな会社の経営理念を目にしてきたが、中にはとってつけたような代物が少なくない。どこかの書籍から抜き書きしたような言葉が並んでいたり、美辞麗句を並べたものや長々しい訓示みたいなものまで多種多様だ。

 

一体この会社は何がしたいのだろうと、首をかしげたくなるものもある。それが悪いとは言わないが、押しつけられている社員の気持ちを考えるとどうなんだろう。

 

今度の会社は成文化した経営理念こそ現段階ではないが、しっかりした企業の存在活への意識がある。しかも、社員の中にもかなり浸透しているようで頼もしく思う次第だ。

 

おそらく経営者の意識の中、つまり頭の中にはいくつかの要素(エキス)があるのだろう。それをまだまとめきれないでいるのだと判断している。よって、ディスカッションを通じて言葉とイメージを引き出すことになるだろう。

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その中からずばり会社の方向(性)や存在価値を表す言葉を、素直にまとめていけばいいはずだ。それも、経営者自身の言葉であるべきだ。言葉の長短は関係ないが、できれば端的に表現していきたい。

 

言葉を唱和することによって、経営者の考えているこの会社の将来がイメージできれば申し分ない。全社員の心の中に、常に拠り所としてあるものにしたい。

 

こう言うのも、そうでない経営理念が目に付き鼻につくからだ。世の中でのお役立ちとか、お客様第一主義だとか、「言ってることとやっていることが違うだろう!」という類が多いからだ。

 

その愚は犯すまいと思う。だから、経営理念と合わせて経営方針をしっかりと立てておきたい。もちろん、その第一は「全社員の幸福」だ。経営者は社員を大切にし、社員はお客様を大切にする、これ基本でありたい。

 

方針が確立すれば、目指す方向は自ずと定まってくる。必ず、いい経営理念ができるだろう。経営者の姿勢、そして会社の中の雰囲気を感じてそのように確信している。

就職活動は入学したらすぐに始めるのがいい

経団連の「就活」協定見直し(廃止)の動きに、賛否両論がある。一定の歯止めがないと、いわゆる青田買いが行われ、また学生の本分である学業にも悪い影響がある。

 

一方で今のやり方では、協定を守る側が不利な立場に立たされている。経団連加盟の企業以外は守っていないのだから、有名無実になっている。

 

とまぁ、それぞれの立場で色んなことを言っているのだが、企業はどういう論理で考えているかというと、これは私の想像であるが「採用コスト」をどう見ているかではないかと。

 

今現在のやり方でも、年々採用のコストは上がってきているという事実がある。何しろここのところ「売り手市場」の傾向が強まっているので、コストも上がって然りなのだろう。

 

私の時代は協定も何もないというのか、完全に自由だったと思う。もう50年近くも前の話ではあるけれど、気の早い同級生は3年次の秋頃からもう活動を始めていたようだ。

 

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私の家にも各企業のリクルート情報、すなわち企業案内・採用案内が、毎日のように大きな封筒で届いてきたのは年明けからだったかな。

 

当時はインターネットなどない時代だから、すべてがアナログだった。どうしてたくさんの案内が届いていたのかはよく分からない、勝手に届いていたからだ。

 

つまりこちらから請求をしているわけでもない、大学生名簿辺りを手がかりに送っていたのだろうか。学生名簿なども、ゆるゆると出回っていたのだろう。

 

いずれにしても手元に届く案内の中から、適当に返信(ハガキ)をしながら企業訪問を申し込む。私は周りがかなり決まりだした4月頃から、焦り始めたと記憶している。

 

それでも10社近くのアポイントを取って、東京、名古屋、大阪の企業本社を訪問した。リクルーターだけがあってくれた会社から、役員面接まであった会社まで様々だった。

 

家に戻ると、翌日くらいからは電話や郵便で「採用(内定)通知」が来た。3社来たと思うが、結局最初に電話をくれたところに決めた。それが5月の中頃だったと思う。

 

何もかも廃止して、大学に入学したら1年次からすぐに就職活動をやればいいのだ。その代わり数年かけてじっくりやるのだ。企業も学生も真剣に長時間向かい合えばいい。

 

つまり男女の仲もそうだが、じっくりと交際期間や婚約期間をとるなりして、お互いのほとんどを知り尽くすところまでやればいい。早めに決めた方が学業にも打ち込める。

 

企業も学生に、入社前までに「こんなことを学んできてほしい」とか、「こういう資格を取っておいたほうがいい」と要求すればいいのだ。

 

小さな会社の方が、もしかしたら有利になるかも知れないと私は思っている。小回りが利いて、コミュニケーションも社長自らがじっくり取れるに違いない。

 

どうなるんだろうね、楽しみでワクワクしているのだが。

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