改善提案制度とやらを問い直したい

自分が出向していた会社では結局やりませんでしたが、その前に仕事をしていた親会社には「改善提案制度」がありました。
 

日本の会社のどのくらいがこの制度を採用しているのか、定かには知りませんが、製造業には比較的採用が多いようにも感じます。
 

有名な改善制度はいくつかありますが、私の知っている中では岐阜県の未来工業さんの制度が、とっても印象的でした。
 

詳細についてはいろんなところで紹介されていますので、そちらをご覧いただくとして、これが成功事例だとすれば、世の中には失敗事例もまた多々あるわけです。
 

A社もそんな会社の一つです。実は、同じ産業団地の中にある会社が改善提案制度を導入して、効果が上がっていることを聞きつけ、もらった資料の通りにやってみようと思ったそうです。
 

早速月初めの朝礼で制度導入を発表、急いで提案シートや提案箱を用意し、提案促進のためのポスターも作ってスタートしました。「1人月に1つ以上の提案」というキャッチフレーズも貼り出しました。Photo
 

提案審査委員会も、各部署からの推薦者と部門長、そして担当常務と社長とで立ち上げ、提案審査に当たることになりました。
 

導入して最初の内は、そのキャッチフレーズの効果もあったのか、あるいはまた部門長が率先して部下に提案を促す部署もあって、まずまずの提案数になりました。
 

しかし、社長が期待したものとは、提案のレベルが極めて低いように感じました。金賞以下、銀賞、銅賞、その下に敢闘賞や努力賞なども作っていたのですが、それらに該当する提案はわずかでした。
 

1ヶ月後の審査結果発表では、何らかの賞に該当したものが5つくらい、それもすべて努力賞という結果でした。部門長会で「さらに良い提案を期待したい」とハッパをかけ、部課ごとに朝礼でも号令してもらいました。
 

ところが、月を経るごとに提案数が減っていくばかり、その内容も相変わらずパッとしません。半年もたった頃には、提案審査会も短い時間で終わるという有様になりました。
 

成功している会社とどこが違うのか、社長は考える気も起こらず、担当常務に丸投げしてしまいました。常務にしても社長の命令だからという気持ちが強く、停滞の原因を真剣に追及していこうとまでには至りませんでした。
 

相変わらず社長が部門長会でハッパをかけ、朝礼で全社員に呼びかけ、新しいポスターを作るくらい。金賞の上にダイヤモンド賞を作ってみましたが、努力賞を超える提案はまばらです。
 

そんな時に私が相談を受けたのです。
 

実情の把握から始めて見ましたが、1日で結論が出ました。それは今のままのやり方を続けるなら、やめた方がいいということでした。それを聞かれた担当常務は慌てましたね、「いや、それでは困ります」と。でも、困ると言われましてもねぇ。
 

さて、もしあなたがこの会社にアドバイスをするとしたら、どうされますか?
 

今回は結論なしの問題提起です。自社のケーススタディとしてお考えください。

足を一歩踏み出さなければ何も始まらない

今日のコラムは「定石」についてです。昨年「経営の定石の失敗学」(小林忍著・)という本が目に入り、早速購入して読んでみました。うなずくことがたくさん書かれていました。Photo

 

内容についてはぜひお読みいただければt思いますが、私も読みながらMG(MQ戦略ゲーム)のことを考えていました。なるほど、MGという経営ゲームには、一見勝つための定石あるいは方程式があるように考えますが、決してそうではありません。

 

スポーツなどでは、負ける時には負けるべくして負けるとよくいわれます。負ける時には、ほとんど共通の要因があるといってもいいでしょう。

 

しかしながら、勝つ時にはいくらか共通性のある要因はありますが、さりとて次回同じようにやったからといって大丈夫とはいかないのです。

 

負けは自滅ともいい、その負け要因はほとんど全てが自分の中にあります。自分自身の責任に負うところが全てですので、ハッキリ言ってしまえば「負けの定石」があるわけです。

 

ところが勝利にはそれが当てはまらないのです。野球でも勝利の方程式などといいますが、その通りにリリーフ(ホールダーやクローザー)を継投しても、絶対に勝つという保証はありませんから。

 

ゲームでもそうなのですから、現実の経営では当然だと言ってもいいでしょう。

 

ところが、世の経営者たちは勝利者と呼ばれる成功経営者に学ぼうと必死になっています。成功経営者の話を聴き、あるいは著書や紹介本を読みあさります。

 

そこから成功のカギや、あわよくば秘訣といったノウハウを得ようとされているのでしょうが、たとえそれが定石という類のものであっても、自社に持ち込んだところで成功するとは限りません。

 

やらないよりはやった方が良いということも、中にあることは間違いないのですが、あなたの会社を取り巻いている環境・条件は成功会社のそれとは違うのですから。

 

自社の環境・条件に当てはめてみて、当てはまる部分だけを採り入れてみても、総合的なプロセスによって成功したものであれば、部分的な最適化そのものが無駄になります。

 

全体を自社の環境・条件に合うようアレンジするならまだ分かりますが、成功方法のつまみ食いするだけでは効果を得られないことを知るべきです。

 

でも、真似をすることは大事なことです。学ぶの語源は「真似ぶ」だとも言われますから。

 

まずやる、あとで(やりながら)直すというのは、MGあるいは脳力開発の基本でもあります。まずやってみなければ、失敗も成功もありません。一歩足を踏み出す、それだけはお忘れなきよう。

 

失敗することで、どこに問題があるかが分かります。つまり他社のモノマネなんですから、自社でやる際には何が問題なのか、何が足りないのかなど、次に成功につながるポイントが見えてくるのです。

 

失敗を恐れてやらない、どうなるか先が見えないからためらって立ち止まったまま、それがいちばん問題なのです。うまくいくかいかないかではなく、やるかやらないか、その意思決定に命を懸けましょう。

ハードやソフトウェアよりもハートウェアを

102日、クライアント会社の「内定式」に参加させていただきました。来春学卒採用者について、10月から内定解禁ということで、ニュースでも大手企業の内定式の様子が放映されていました。


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大学生については、すでに9割近く就職先が内定したと伝えられており、昨年よりもさらに内定率が上がっていて、いわゆる売り手市場を色濃く反映しています。

 

大手企業でも人材の確保には苦心しているという中で、日本の大部分である中小企業にはさらに高いハードルの就職戦線です。

 

私の周辺でも100%充足できた企業は少なく、厳しい現実に直面しています。中途採用でカバーするのも、有効求人倍率が毎月のように上がっている現状ではなかなか困難なようです。

 

ところが、中には(一握りではありますが)就職希望者が殺到している中小企業もあります。募集人数の数倍どころか、数十倍というすごい会社もあります。

 

そこから見えることは、企業の大きさとか上場しているか否かとか、あるいは世間的な知名度があるなしではないということのようです。

 

中小企業の中にはせっかく内々定を出しても、辞退者が相次いで内定まで至らなかったという、会社の悲鳴も聞いています。一所懸命努力して「引き留め」したと言っていますが、結果が示していることを真剣に考えなければなりません。

 

ベンチマークなどという高度な分析や他社との比較もいいですが、すなおに今いる従業員の声に耳を傾けてみたらいかがでしょう。そこに不満や、足りないことが充満してはいませんか。

 

ハードとかソフトとかではなく、ハートの方に問題はありませんか。何かというとシステム的なものに目が向きがちですが、視点を変えてみる費用がありそうです。

 

社長は試行錯誤・努力しているのですが、どうも空回りをしているといった会社も少なくありません。周りの社員の皆さんは冷ややかに見ているだけ、などとなっていては新戦力など望むべくもありません。

 

人が採れるか採れないかは、ある意味その企業の現状のバロメータと言えるでしょう。採れないということは、何かが足りない、その主体はハートウェアだと早く気付いて下さい。

 

採用面接した中での感想などにも、素直に耳を傾けてみるのもいいでしょう。社長や採用担当役員などには本音を言わなくても、先輩リクルーターには意外に話をしていたりします。

 

ある会社は「採用も人材教育の一環」だと言われています。社長自身が自社を見直すきっかけになる、そして今いる社員さんと一緒に会社説明会、採用面接や内定前後の研修にも取り組まれている。まさに「全員経営」です。

 

その雰囲気、会社の風土といった「ハートウェア」が応募者の琴線に触れるのでしょう。

 

企業は常に新陳代謝を進めていかねばなりません。直接的には新しい人の採用、間接的・波及的にはそれに向けて全社で動いていくことが佳い効果を生むのです。

 

世はすでに来来春に向けて動き出しています、遅れてはいけませんよ。

キャッシュが足りなくなる3つの大きな要因

今週末の土曜日と日曜日の2日間は、キャッシュフローMGCFMG)開催日です。

 

CFMGは、通常の西研MGMQ戦略ゲーム)が現金取引だけなのに対して、信用取引すなわち売掛と買掛を加味したものです。より現実の商いに近いと言われますが、それによって意思決定の幅が広がります。

 

コンサルタントとして経営、とくに創業のお手伝いを何社かやらせていただきました。素晴らしい技術や商品を持っておられる会社を立ち上げ、意欲十分にスタートされる企業の支援です。

 

中には助成金や補助金も認められて、順調な出足を見せられる会社もありますが、1年も経たない内に勢いがなくなる会社も少なくありません。

 

勢いがなくなる要因はキャッシュフローです。創業時代は最初から利益を出してとはなかなかいかず、赤字計上もやむを得ないところです。

 

利益が計上できても、材料や商品の先行仕入、製造を任せておれば外注費の支払いなどが少なくありませんし、必要な設備投資などもちりも積もればという感じで増えていきます。

 

そうなると「キャッシュが目に見えて減っていく」という現実に気付かされます。借り入れしてスタートした場合、利息は最初から払うことになりますし、据置期間がすぎれば元金の返済もしていかねばなりません。

 

そういうわけで、数年を経ない内に資金繰りが窮屈になってきます。その時になって慌ててしまっても、時すでに遅しなどという事態に陥りかねません。

 

ではなぜキャッシュが不足するのか、なぜそうなるのか、その要因くらいは創業前から知っていてほしいものです。000

 

キャッシュが不足する大きな要因は次の3つです。

1) 儲かっていない、利益が出ていない

2) キャッシュ・マネジメントが甘く杜撰である

3) 資金調達のパイプが細い

 

この内1)はまぁ当然のことで分かるでしょうが、2)が問題です。創業経営者がキャッシュフローに理解があり、自らキチンと管理(マネジメント)している会社はまれです。3)はもちろん経営者の大事な仕事です。(写真の本はザンネンながら絶版です)

 

たとえ儲かって(PL上)いてもキャッシュが苦しくなる、それは良くあることです。最低限その理屈くらいは、経営者たる者分かっていなければと思うのですがねぇ。

 

どうも、優れた技術者ほど「良いものを作れば売れる」と勘違いをしているようですし、有能な営業マンや販売員たちは「売上を上げる」ことに長けていても、それ以外のことには無頓着です。

 

それは困るのです、とくにキャッシュフローについては(実務は他の社員に任せても)経営者自身が、ちゃんと目配りしていないといけません。

 

3つの要因でいえば、1)の利益、まずは売上総利益=粗利益=を確保することが第一、2)はとくに「出を制する」ことと集金を怠らないこと、3)については銀行とのパイプづくりです。いずれも経営者がやるべき仕事、少なくとも先頭に立ってやるべきことです。

 

その辺りの感覚ややり方が今ひとつ分からない、不明だという方は、ぜひ早めにMGあるいはCFMGを学んで下さい。まずは一歩足を踏み出すことです。

社内会議における社長の発言に一言

またまた、会議についてです。もちろん、小さな会社の会議についての私見です。

 

会議はできるだけ短めに、なぜなら会議自体はMQ(売上総利益=粗利益)を産まないから。もちろん、会議を通じて決まったことを実行すればMQは生まれるはずです、念のために。

 

で、社長たるあなたはその会議に出席されていますか。会社の中には色んな会議があって、その全てに社長が顔を出すことはないかも知れませんが。

 

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今日の問いかけは、その会議の中で「あなたはいつ発言されていますか?」です。

 

全く沈黙して一言も発しない、ということはまずないでしょうね。参加者の一員ならもちろん、たとえオブザーバーの立場での参加であっても、ファシリテーター(司会者)は「社長のご意見」を求めてくるでしょう。

 

私は現役社長時代、自ら出席する会議は年間予定である戦略会議以外は、毎月の定例幹部会議と営業会議に限定していました。あとは出席を求められた会議、それは大なり小なり意見や、時には判断を求められる時でした。

 

定例の会議には私の発言時間が、あらかじめスケジュール化されていました。基本的には冒頭の5分間、そして締めくくりの5乃至10分間でした。その以上の時間は必要ないと伝えてありました。

 

本当は締めくくりの発言だけにしたかったのですが、会議の目的の前提となる戦略について、メンバーに語っておく必要がありましたので、冒頭発言も入れていただきました。

 

そして途中の会議・ディスカッション中は、極力発言しないように心がけていました。どうしてもという時、それは冒頭に示した戦略と異なる方向に向かう恐れありと判断した時だけ、短い発言を求めました。

 

当然のことですが、やり方や手段・方法つまり戦術については黙って聞いていました。なぜなら、私はその成否を判断する立場ではありませんし、もし私が発言すればその内容に参加者はこだわるでしょうから。

 

あるいは「社長の言葉」に左右されてしまい、元から持っていたはずの「自分の意見」を変えてしまうことにも成りかねません。

 

私自身が長い間一般社員とか中間管理職の立場で会議に出ていましたから、そうなる可能性を肌で感じていましたから。自身もそうなりかけたことがありましたし。

 

もっとも、社長が一切発言しないというのも、社員の立場から言うと(とくに当初は)不気味なことです。いったい何を考えているのかが気になるでしょうし、もしかしたら最後にひっくり返されるかもなどと思っているかも知れません。

 

そこで、時には全体の流れに影響を与えない範囲で、例えば他社の事例だとか講演やセミナーで聴いたことなどを、短く紹介して場の空気を和らげることをやりました。

 

ただ、それは会議のやり方を革新してから数ヶ月のことで、半年も経てばそんな必要などないようになってしまうものです。そうなると、求められなければ一切物言う必要もなく、じっくりと聞き耳を立てることができます。

 

もし最後の社長発言(まとめ)で流れと異なる意見を述べるとしても、決まったことを覆す必要のないことを前提とし、「この点だけは気を付けてやってほしい」までに留めました。

 

あなたの会社の会議はどうですか、そして社長の発言は?

スケジュール管理とタイムマネジメントの違い

スケジュール管理についてです。

 

皆さんは、どんなやり方で自分自身のスケジュールをマネジメントされていますか。スマホを活用されている方は、グーグルカレンダーやその他のアプリを上手に使われているのかも知れませんね。

 

いや、やっぱり手帳に書き込むのが一番いいんだよという方にも、時々お目にかかります。私はというと、グーグルカレンダーも使えば、手帳も活用する、あるいはPCでマイツール(データベースソフト)を使っているというわけで、デジタル・アナログ混用です。

 

どれを使ってもいいのですね、キチッとできるのであれば。中には複数のツールを連動されて、データを巧く活用されている方もおられます。それを見ると、見事だなぁと感心してしまいます。

 

いずれにしても、それぞれのツールでは使い方も違いますし、おそらく使う目的も少しずつ違っているのではないでしょうか。同じツールを使っても、使う人によって違うこともあるでしょう。

 

会社の中では、ツールを統一した方がいいというので、グーグルカレンダーで必要データは共有するとか、あるいはサイボウズのスケジュール機能などを全社で使うというところもあるようです。

 

そういったツールでは、そこに各自がスケジュールを書き込む、それで個人もスケジュール管理がスムースにでき、周りも情報を共有できる。少なくとも「能書き」にはそのように記してあるはずです。

 

しかし現実はどうでしょう。上手にそういったツールを使っているのかといえば、見事に使いこなしているなと感じられる会社はホンの一部に過ぎません。まぁ言ってみれば「やっているだけ」というところが大多数です。

 

そこで、スケジュール管理についての私の考えを少し書いてみます。

 

そもそも、スケジュール管理はなぜ必要なのでしょうか。スケジュール管理を時間管理(タイムマネジメント)だと考えている方が多いようですが、それは一つの側面に過ぎません。

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脳力開発では「戦略と戦術」を学びますが、スケジュール管理は戦略そのものです。つまり、スケジュールを組み立てることこそがポイントであり、その組立ては戦略(企業戦略あるいは人生戦略)の具体化です。

 

ゴール(戦略の最終目的)に向かってのステップを決めていくことであり、その都度の「定点」をおいていくことです。タイムマネジメントは、それを時間軸で置き換えるもの(戦術)に過ぎません。

 

なぜなら、1年は365日であり、1日は24時間だからです。用意された時間をどう有効に使うのか、それがタイムマネジメントであり、それをいかに上手に行えるかのためにツールが用意されています。

 

スケジュール管理の決め手は、これから将来の定点をキチンとポイントしていくことであり、その定点が戦略的にどういう位置づけかを確認していくことにあります。

 

今あなたがやられているのは、スケジュール管理ですか?それともタイムマネジメントなんでしょうか。

 

先ずはそれを見極め、区別するところから始めて見ませんか。

コミュニケーションに良し悪し、上手下手があるのか

コミュニケーションということが、多くの会社で課題になっている。

 

コンサルティング相談の中でも、社長の口から「当社はコミュニケーションが良くなくて」というグチが聞かれ、「なにかいい方法があったら教えて下さい」とくる。

 

コミュニケーションとは、組織(企業)の中における情報のやりとりとか情報の共有を意味しているらしい。情報のやりとりとは言葉のやりとりのことだが、一方通行ではなく双方向がいいのだそうだ。

 

その辺りの認識が、逆にコミュニケーションの悪さになっているのじゃないかと言いかけて、ふと思った。そもそもコミュニケーションの良し悪しって何だ?コミュニケーションに上手下手があるのか?

 

では良いコミュニケーションとは何だろう、上手なコミュニケーションとはどういうものなんだろう。当社のそれが悪い、下手だとのたまう社長はどのようにしたいのだろう。

 

そこに色んな提案が外から届く。昔から様々なコミュニケーション・ツールが工夫され、最近ではもちろんITを活用したコミュニケーションが脚光を浴びる。

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先進的なIT活用によるコミュニケーションを導入した会社も見学したが、一目見て、うまくいっているとはとても思えなかった。(右はITコミュニケーションのイメージ)

 

デジタルもいいがアナログも見逃せないということで、朝礼の活用とか掲示板が見直される。単一の手段や道具だけでなく、たいていの場合は複数手段が用意されている。なのに、まだコミュニケーションが悪く、下手なのだそうだ。

 

こいつはどうも、手段や道具つまり戦術レベルの問題ではないなと気が付く。となると、戦略の問題なのだから答は難しくない。

 

要するに、コミュニケーションとは何だとか、コミュニケーションの目指すところは何かということが、組織の構成員(社員)の共通認識になっていないということに尽きる。

 

そこのところが分かっていれば、手段や道具は何でもいい。その時々に最も適切・的確なものを、多くの中から選んで使うだけのことだ。

 

また突き詰めていけば発信と受信に他ならないのだから、常に発信することを心がけて実行し、いつでも受信可能状態であることだ。

 

何でも発信する、必要なのかそうでないかは受け手に任せることだ。その代わりに、自分に必要のない情報だと思ったら容赦なく捨てる。それでよい、そうなればコミュニケーションは自然と回る。

 

かつて未来工業の相談役だった山田さんは、「ホウレンソウなんて必要ない」と喝破した。過ぎたるは及ばざるがごとしという、過ぎたる「ホウレンソウ」は意味がなく邪魔なだけだ。

 

受信も発信も任せてしまえばいい。ただしその前に、キチンと戦略を徹底しておくことだ。

 

ちなみに、我が家(事務所)のコミュニケーションは言葉の他は、ポストイットとメモ用紙(コピー紙の余剰)だ。後者は見えるところに置く(貼る)が、必要なしだと分かると即座に捨てられる。

 

二人でできるものは大勢でもできる。とくにあなたの会社が大会社でないのなら、簡単にできるはずだ。

法定三帳簿などをちゃんと整備していますか?

いきなりですが、個人と対比されるのが法人です。個人に人格があるように、法人には法人格というものがあります。個人の人格がそうであるように、法人格には権利が認められていると同時に義務が課せられます。

 

法人の一つに会社があります。株式会社がその代表であるわけですが、昨今は資本金が1円から作ることができます。この法律ができた時には「1円会社」がかなりできたようですが、その後1円では信用力がなかったらしく、この頃はそうでもありません。

 

その昔は1000万円以上の資本金が必要だった株式会社ですが、業種業態によって創業に要する資本力には違いがあります。ですが、最低限やるべきことがら、どうしても守るべきことがらや義務は、資本力に関係なく平等に課せられます。

 

ところが、「小さな会社」はその必要最低限ができていない、そういう例が多く見られます。この多くは経営者の無知や怠慢に原因があり、それをフォローして然るべき専門家(税理士や社労士)の怠慢によります。

 

例えば、会社は労働関係の帳簿を最低限3つ備えておかねばなりません。この3つを法定三帳簿といい、労働者名簿、賃金台帳、そして出勤簿です。もちろんこの他に、経理の帳票類(総勘定元帳他)や就業規則(社員10人以上)なども必須です。

 

賃金台帳は、税理士さんに全面的に経理処理などを委託している会社の場合は、社内に常備していなくても税理士さんのところに書類や帳票として「ある」でしょう。だけども、経営者の手元にいつでもある、という状態が当然のはずです。

 

出退勤を記録する出勤簿は当然に会社の中になければなりません。タイムカードか、労働者本人が記入するものであればOKです。

 

さて、労働者名簿は作成していない事例も数多いようです。恥ずかしながら、かつての私の会社もあるにはあったものの、メンテナンスが殆どされていない状況でした。何を記しておかねばならないかは、最近はネットなどでも調べられます。

 

またかつては法令用紙に手書きで作成していましたが、最近はPCソフトもありますから、昔ほど面倒ではありません。ただし、データは最新のものを印刷して保管しておく必要があります。

 

いずれにしても、そういう必要義務のある台帳や書類が不備だと、いざというときに慌ててしまいます。最近は税務署だけでなく、監督署や社会保険事務所の調査や査察も以前より厳しく行われています。第一印象から「とんでもない会社」のレッテルを貼られないようにしておかねば。Photo

 

なお、法定三帳簿を適切に整備していない場合には、罰則規定(30万円以下の罰金)がありますので、くれぐれもご注意下さい。罰則うんぬんというよりも、社員を大事にしていないことの表れですから。

 

公的な助成金や補助金を申請する際にも、それらは絶対に必要不可欠です。社員のために行えば良い、助成金の申請なども少なくないのです。

 

何にしても必要最低限のことはしておかなくては、「法人格」という言葉が泣きますよ。まさに、経営者の人格が問われるというものです。「社員を大切にする」姿勢を問われかねませんね。

人を採用できない要因は我(会社と社長)にあり!

つい先日のニュースだが、有効求人倍率が全国平均で1.52倍になったという。どうもバブル期に匹敵するくらいの高い倍率なのだそうだ。

 

あくまで全国平均なので、都道府県別にはバラツキもあるだろうし、同じ都道府県でも地域間格差というものがある。高いところもあれば低いところもある、当たり前のことだけど。

 

この有効求人倍率とは、経営者なら殆どの方がご存じだろうけれど、有効求職者数に対する有効求人者数の割合のこと。景気と共に上下するので、景気動向を表す指数としてよく使われている。

 

ただし、数字を鵜呑みにする前に中身を考えてほしい。まず有効ナントカというのは、どちらも全国のハローワークにおけるそれらの数が基準になっている。ハローワークを通さない数字については欠落しているか、推定して加算しているかよく分からない。

 

また、今回の1.52倍にしても、それは正規労働者も非正規労働者も両方を含んだ数字であることだ。今回は、正社員の有効求人倍率も1倍を超えたらしいが、地域によっては1.0未満が少なくないのだ。

 

また、双方共に地域間格差だけでなく業種間格差もかなり大きいものがある。例えば土木や建設関連業種では、正規も非正規もかなり高い倍率だ。


 
こういった数字が報道されると、人の採用が(新規も中途も)ますます大変な状況になるなと、頭を抱えてしまう経営者も多いだろう。実際に、来春の大卒・高卒者の採用戦線では、中小企業の苦戦も伝えられている。


 
せっかく「内々定」を出しても、鳶に油揚げをさらわれるといった事態も起こっている。半数以上どころか、「内々定者」全員に袖にされたと嘆く社長にも出会った。

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確かに、中小企業の団体や地域の商工会議所が主催している就職説明会に、足を運ぶ学生の数が目に見えて減ったなんていう話も耳にする。


 
しかし、事実はどうかを確かめたわけではないけれど、こういう周辺状況が進んだことが原因ばかりではないと思う。というより断言できる。


 
内々定自体を食らった会社(の社長)には申し訳ないけれど、あなたの会社は経営環境条件が良い時にも、似たような状況になってはいなかったか?


 
人が採れない原因は景気や就職希望者の目指すものにあるのではなく、あなたの会社そのものに要点があるのではないか。


 
人が採れないことを嘆く暇があったら、自社のことをじっくり考え直してみてはどうか。むしろ、そういうチャンスを与えてもらった、いい機会になるくらいの前向きな意識を持つべきだ。


 
今からでも遅くはない、就職を希望する人たちだって、100人が100人その希望を充たされているわけではない。より良い会社はないかと、最後の最後まで動く人もいるだろう。


 
あなたの会社がその受け皿になれるのかどうか、そうなれるように動いてみることだ。新卒だけではなく、中途採用でも同じことだ。


 
採用できない要因は我(会社と社長)にあり。

その会議はMQにつながりますか

これまでにも何度か書いたテーマですが、社内会議についてです。

 

基本的に会議は、直接的にMQ(利益)を産みません。これは極めて当たり前。

 

ところが、どこの会社でもけっこう会議が多いですね。儲かっていない会社ほど多い、などとは申しませんが。

 

昨日から9月がスタートしましたが、月の初めは会議が集中するのかも知れません。先日ある方(部長クラス)の手帳を拝見しましたが、スケジュール欄にはびっしり会議予定。

 

それもやたらと長い会議が多いようです。終日とか半日とか、時間をかけると良い会議になるとでも思っているのでしょうか。

 

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私もたまにクライアントの会議に呼ばれますが、必ずタイムスケジュールを事前にいただくことにしています。中心時間だけに顔を出したいから。

 

ああそれなのに、タイムスケジュールや議題・テーマが事前に配られない会議の少なくないこと、首を傾げてしまいます。

 

いつだったか、ある会社の「下半期戦略会議」というのに参加しましたが、これは朝の9時から、昼食を挟んで終わったのは夜の19時でした。ため息が出ました。

 

戦略会議だというので期待していましたが、とにかく「戦略」の話はほとんどなし。午前中は延々と上半期の報告と反省です。

 

まぁ振り返りが悪いことだとは言いませんが、、、

 

報告などはA4ペーパー1枚にまとめていただき、できれば事前に配っておいていただきたいものです。しかも時間が守られない、1人15分以内の発言が20分30分と続くのですから、あくびも出ようというものです。

 

で、その後は、下半期は何をどうしようかという戦術の話が百花繚乱、それをいちいち詳細まで詰めようとするものですから、話は堂々めぐり。

 

多くは、そのやり方(戦術)が良いか悪いか、あるいはホントにできるかできないかの論議でしたから、そんなものに結論が出せるわけがありません。

 

私にいわせれば、良いか悪いかは「戦略」に照らし合わせてトップやリーダーが決断するだけ、これは1分でけりがつきます。

 

また、できるかできないかは「やってみなければ分からない」ので、「いい、やれ!」「やります」と宣言すれば足ります。

 

それを「会議は踊る」ではありませんが、あるいは「小田原評定」でもあるまいし、もう二度とこの種の会議には出るまいと思わせる一日でした。

 

時間の無駄、MQゼロ。

 

あなたの会社も、そんな会議をやってはいませんか。

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