行き詰まりの原因はお客様離れに過ぎない

Photo かつて隆盛を誇った企業、店の倒産や廃業が目立ってきた。最近では、一世を風靡したカリスマ美容師の店が話題に上った。要するに過去の栄光にすがりつき、変化する時代の流れについていけなかったということなのだろう。

 

倒産にはそんな難しい原因などはない、ごくごく単純なことばかりだ。いくつも要因はあっても、たった一言「お客様が離れた」ということに過ぎない。そのために、お金・キャッシュフローが回らなくなった、それだけのことだ。

 

単純な原因なのだから、答もいたって明快なはずである。しかも脳力開発的にいえば、手段や方法・道具などは山ほどある。それを選び出して、実行する、これまた単純明快だ。

 

ところがあれこれ言い訳を作ってなかなかやらない、やらないでいる内にタイミングを失してしまう。あわてて取り繕うとしても、もう間に合うはずがないのだ。とにかく、先送りがいけない。

 

その内に、自分(自社)がやれないことを「他人のせい」にしてしまう。自分はちっとも悪くない、周りが協力してくれないのがいけない、社員が動かない、あげくにこんな世の中が悪いと言い出す。

 

こうなるともう崖っぷちだ。コンサルタントにとっても、救いようがない状況で、「一番良い方法は、あなたがおやめなることです」となってしまう。

 

特別な処方箋があるわけではないが、まずは
 1.現状を素直に認めること
 2.そして「過去の栄光(成功)」を捨て去ること
 3.さらに思いつきでもいいから「まずやってみる」ことだ

 

ベースは周りの人たちの幸福、特に社員の幸福を常に考えていることであり、いかにお客様に自社の価値(商品やサービス)を提供できるかだ。価値には、費用(価格)だけでなく時間や距離、あるいは心やすさなどもあるはずだ。

 

それをよく知っているのが現場の社員たちだ。あるいは彼らの家族たちだ。彼らはいつもお客様という立場で、ものやサービスを買い、あるいは利用しているからだ。

 

変化は待ってはくれない、急がなければならない。時を逸すれば、あなたの会社・店からもお客様が離れていってしまうだろう。気が付いた頃にはもう遅い。

プラス方向のリストラを変革と言うのだ

東芝が経営の危機にある。第3四半期(昨年12月末)決算は発表が延期に延期を重ね、発表にはこぎつけたが監査法人の「意見不表明」という異例の形だった。本決算ではどうなるのか、そしてリストラがどのように展開されるのか見逃せない。

 

ここにきて、人員整理・希望退職の話も1000人規模で具体化してきているようだ。今日の「小さな会社のマネジメント」はこれに関わるテーマとしよう。つまりリストラだ。

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リストラ、正しくはリストラクチャリング(Restructuring)だが、本来の意味は「再構築」。人員整理などの人的リストラはその一部に過ぎないが、どうもそこに注目が集まる。また、本来はプラスの意味(増強)もあるはずだが、なぜかマイナスイメージが主流だ。

 

これはどうも日本の特徴傾向であるようで、リストラが不採算部門の縮小や撤退の際になされることととらえられ、しかもほとんどの場合従業員削減を伴うからだろう。人員整理や解雇という言葉がどぎついので、リストラと言い換えたのだろう。後ろめたさの軽減化?

 

本来は組織の再構築なのだから、プラスにもマイナスにも作用するし、目的が企業(組織)増強・強化であれば、例えば人的リストラも集中化とか、現場人員増強あるいは研究開発部門の育成強化ということになるはずだ。

 

間接部門の効率化や合理化を推進し、そこで生み出した人員を営業や研究開発に振り向けていく、、これが本来のリストラというものだ。だから、企業は勇気を持って機会あるごとにリストラ活動を推し進めていくべきだ。

 

小さな会社ほどやるべきだし、やることが山のようにあるし、そしてその効果も計り知れないほどに大きいと知るべきだ。特に上記の間接部門、管理や経理あるいは総務の仕事はどんどんIT化したり、場合によってはアウトソーシングする。

 
残業を含めた総労働時間の抑制も大事なポイントだ。給料を下げるのではない、同じ仕事をより少ない時間でこなせるように仕組みを変え、人財化するのだ。その方が社員は喜ぶに違いない。

 
時に「残業が減ったら実入りが少なくなる」という社員もいるかも知れないが、効率を上げて利益が上がれば、その分を賞与として支給することもできる。むしろ家族との時間や、自分のための時間が生まれて良いはずだ。

 
リストラという言葉がマイナスイメージであれば、改革とか変革という言葉を堂々と使えば良い。言葉の誤魔化しではなく、しっかりと将来戦略を描いて、社員の皆さんと夢を共有できればいい。というより、今こそそれをすべきだろう。

 
躊躇している暇などはない。人材がいないからだとか、お金などの経営資源がないからだとか、ぼやいている暇があったら、みんなで知恵を出し合えば良い。すでにやっている企業を、自分の目で(社員の目で)見てくれば良い。

 
とにかく一歩目を踏み出すことだ。それしかないだろう。

その情報はマネジメントに使えますか?

東芝の問題が、年度末決算に向かってまだまだ波乱を呼びそうです。我が家の、経済問題などには全く疎いカミさんでも、「東芝、潰れちゃうの?」と心配しています。家の中には、けっこう東芝の家電品があるからです。

 

何しろ債務超過額が半端ではありません、優良部門の切り売りをして赤字の穴を埋め、再建を図るという図式で進めていくようですが、「経営の膿」を隠す体質とか「問題を先送り」Photo する風土が、どう改革されるのかがカギでしょうね。

 

この二つ、東芝だけの問題ではなく、どんな会社にも当てはまることです。小さな会社だって例外ではなく、あなたの会社にも少なからず存在している、20年余り色んな会社の事例を直接見てきて、感じることです。

 

隠蔽体質、これは双方向にあって、経営者が経営の本質的な問題点を社員に隠してしまうことと、現場が上にマイナス情報を上げないままに済ませてしまう傾向です。

 

経営者が問題を隠すのは、会社の(とくに悪い)情報を社員に伝えたくないという根本問題はともかく、もう一つは問題の本質を知っていないことにも原因があります。経営数字が読めない、数字から本質を読み取れないということです。

 

経営情報は日々「データ」という形で経営者に伝えられます。でもそれは単なる数字の羅列に過ぎませんし、その数字も終わってしまった過去の事実です。

 
これは、そのままでは経営(マネジメント)には使えません。データを加工して、インフォメーションあるいはインテリジェンスといった、より「高度な利用情報」に変えないと使えないのです。

 
そのデータ加工を誰がやるのか、が問題です。誰かがやってくれるのを待ってから?例えば、税理士さんから届けられる月次の試算表や、経営分析の数値表など。

 
でもね、先月の情報が半月後や1ヶ月後に手元に届いたとして、それはすぐの役には立ちませんね。経営の意思決定にはスピードが要求される今日、そんなに遅れてしまっては有効な手など、打てるはずもありません。

 
経営者自身が、あるいはその右腕となる社員が、上がってきた新鮮なデータをすぐに情報加工して、明日の仕事に役立たせるようになる必要があります。その努力をされているでしょうか。

 
やり方や、そのための道具はいくらでもあり、あなたの会社にあったモノを選べば良いでしょう。大事なことは『やる姿勢』、そして『すぐにやる』ことです。そんな企業風土があり、やれる人財がいる、あるいは経営者自身がやれることがポイントです。

 
いやぁ、私はもう歳だしダメだよとか、当社にはそんな人材がいないからとボヤいてはいませんか。そんなことでは問題や課題を隠し、情報がスムースに流れない、さらには問題を先送りする体質に陥ってしまいますよ。

 
どうしたらいいですか?私にすぐに電話をかけなさい(笑)

 
それはともかく、すぐに手を打つことをぜひお勧めします、生き残りのために。sonojouhou

粉飾という誤魔化しはゼッタイにNGだ

法人企業には3月末決算企業が多い、官業や金融機関の年度末と合わせている方が便利なせいだろうか。上場企業の多くもそうだが、そちらは四半期ごとに決算を行うところも多いので、この時期が特に忙しい訳でもない。

 

とはいえ、この時期から申告期限の5月末までは企業も慌ただしいが、士業の方々、とりわけ税理士さんと公認会計士さんは「盆と正月」が一度にきた感じだろうか。確定申告終了でホット一息ついても、またすぐに書き入れ時だ。

 

企業の方も少しでも早めに士業の方に資料を渡して、早めに仕事を進めてほしいから、担当部門は今が忙しさのピークだろう。在庫を初めとする期末の残高確定、仕訳データにミスや漏れがないか、伝票や帳票はそろっているか。

 

会社勤めの頃、私の会社は6月末決算だったので、7月の中旬くらいまでが決算準備処理で大わらわだった。期末の棚卸在庫の差異をチェックし、少しでも誤差を小さくして確定する作業が一番大変だった。小さな会社だと、その差が最終利益に大きく響く。

 

さて決算申告というと、中小企業経営者は少しでも節税ができないかと腐心する。顧問税理士さんにも「何とかして下さい」と、お願いするかも知れない。それでも利益が出ているのだから、それほど心配することではない。

 

問題は利益が出るのかどうか、すれすれのところだ。取引先や金融機関に対しては、やはり利益が出ていないと格好が悪い。今後のことを考えても、赤字の決算では具合が悪い。公的入札のある企業では、それによってランクが変わる。

 

どうも赤字になりそうだと、何とかなりませんかと税理士に頭を下げる。税理士もやれる範囲、つまり合法的で脱法でない部分は何とかしてあげようとするだろう。

 

それでもどうにもならないことがある、というよりその方が多い。何しろ全国の法人企業の7割以上が赤字申告なのだから。最低限の税金だけ払ってそれで良し、などという経営者は消えてほしいものだが、努力しても赤字という場合もある。

 

そこで悪知恵がでてきたりする、誤魔化し、粉飾とも言う。法律ギリギリの範囲ではまだしも、そこを超えては犯罪になる。経営者が行えば背任行為になる。何が何でも黒字にしてPhoto_2 配当を出す、自分が大株主だからその配当は自分のものだ。

 

自分の足を食うイカのようなものだ、とは思わない。しかし、確実にキャッシュフローは悪くなっていく。キャッシュは企業の「血のめぐり」だから、動脈硬化になればじわじわと悪化が傾斜していく、ある日突然「狭心症」や「脳梗塞」で倒れる。

 

粉飾と言えば、最近起こった「てるみくらぶ」の破産が生々しい出来事だ。前期決算は債務超過にはなっていなかったが、未収収益や前受金の額を操作していたらしい。完全に債務超過だったのを隠して営業を継続していた。

 

その結果、突然の「狭心症」に倒れてしまった。企業の病は自社だけではなく、周囲に多大な迷惑をかける。そんなことにならぬよう、キャッシュフローを注視してほしいものだし、とにかく誤魔化しはゼッタイにNGだ。

知恵と汗とで自社だけの「もの」と「こと」を創る

かつて私の仕事の中では、入札競争あるいは相見積もりが避けて通れませんでした。当然なことですが、お客様は良い品質の商品を1円でも安く仕入れたい、買いたいと思われます。私がその立場でも、まずはそう考えることでしょう。

 

しかし、極端の事例では毎年同じことが繰り返されるが為に、毎年少しずつ納入価格が下がっていくという、販売する側には悪しき循環が生じます。

 

それでも量がさばけ、その量も年々増えていっておれば、何とか商売としては成り立ちます。ところが昨今のように人口減が目に見えてきて、特に地方では市場の縮小が顕著になると、とてもこれではいけないと誰もが思うようになります。

 

しかし、相変わらず相手の価格の下をくぐるような入札競争が繰り返され、お客様も相見積もりをとって安い方を選択するといった傾向はなかなかなくなりません。

 

確かに全く同じ商品を、右から左へ流すだけの商売であれば、それもまた当然だと言えるかも知れません。ということは、もしよりよい品質の商品を開発できて、よりよいサービスで提供できるのであれば、価格を上げられる、適正な価格で販売できる可能性があるというPhoto ことになります。

 

そのためには努力をしなければなりません。努力も無しにできるはずはなく、もしより弱いところの価格を叩くような傷のなめ合いになっては、長続きもしないでしょう。

 

さて、あなたの会社の商品やサービスは、このような状態に陥ってはいませんか。

 

その昔、ある会社から従業員さんのワークウェアについて引き合いをいただきました。その会社は地域では大変名の知れた、また私の知っている知識でも大変「良い会社」という評判のところで、社長も高い人格をもたれていると聞いていました。

 

すでに商品モデルや数量は決まっていて、そのワークウェアをいくらで納入できるかという問い合わせでした。幸い当社と取引のあるメーカーの商品でしたので、メーカーにも状況を詳しくお話しして、できるだけの価格を出していただきました。

 

それを元に納入価格や、当社としてできるサービスあるいは在庫フォローなどを書面にまとめ、私としては適正価格の下限と感じるプライスで見積書を提出しました。

 

数日後に担当部長からお電話をいただき、「御社に決めてもいいが、もう少し何とかなりませんか」。つまりもう少し値段を下げろというニュアンスです。1日時間をいただき、再度見積書を出しました。

 
ところが、残念ながらこれまで納入していたA社に決めたとの連絡が、数日後に届きました。最終的に値段で決められたようです。そのA社の社長から、「おたくのおかげで値段を下げられちゃったよ」と言われ、都合良く相見積もりに使われたことを察しました。

 
でも、実際には当社の価格をかなり下回っていましたので、いわゆる当て馬に使われただけだったかと、イヤな思いだけが残りました。その会社も社長も尊敬していたので、裏切られた思いでした。

 
もちろん私たちの努力がもう一歩足りないなとも反省し、次の同様の事例の際には、他社にはできないサービスを工夫し、前面に打ち出していくことができました。

 
世の中の変化を見ていますと、もはや昔流の商売すなわち「価格競争」の時代ではなくなったなと、確信できます。では、価格競争に巻き込まれずにどう生き残っていくか、知恵を巡らし実行していく時代です。

 
オンリーワンという言葉は昔から使われていましたが、さらにもう一歩、当社にしかない、他社には決してまねができない、それを小さくともいくつも持つことが大事ですね。

 
コストをかけるべきところにはしっかりかける、特に人へのコストは。その反面、コストをかけずにできる「もの」や「こと」にしっかり知恵と汗を使う。この時代をそうして、しっかり歩んで参りましょう。

「うまくいかない」時の経営計画書は不必要ですか

またまた「年度初め」に関わる話題です。

 

多くの会社が年度初めまでに経営計画を立てます。商工会議所や中小企業者の勉強会などでも、経営計画の重要性が語られ、計画を作ることによって企業の発展につながりますと教えられます。

 

昨今では、計画を作りためのコンピュータソフトまであるそうですが、多くの企業では業績、Photo_2 すなわち売上・利益計画を軸に、年間の重要政策や行動目標などが明記されます。

 

ところでこの経営計画ですが、年度の到達目標や経営の基本姿勢などを「戦略」といい、具体的な数値目標(月次や部門別、項目別の目標など)や、政策や行動の各項目のことを「戦術」と言います。

 

言い換えると、戦略は(今年度)企業として進むべき方向であり、戦術はそれを達成するための手段や方法、あるいは道具というわけです。この二つは常にセットです。

 
戦略のない戦術は糸が切れた凧のようなもので意味がありませんし、戦術なき戦略単なる夢、砂上の楼閣といった感じです。もちろん、両者は密接に関わっているわけで、それぞれが別々に存在するわけではありません。

 
皆さんの会社もきっと、経営計画を作られていることでしょう。経営計画書あるいは経営指針書など、名前を付けて社員さんにはもちろん、顧問税理士さんや取引銀行さんなどにもお渡しになる会社もあるでしょう。

 
ところでその経営計画は「うまくいく」計画書ですよね。何が言いたいか、計画はいざやってみると、「うまくいく」こともありますが、「うまくいかない」ことだってあります。そんなこと当たり前じゃないか、そうなんです。では、「うまくいかない」計画書はなぜないのでしょう。

 
そこで一部の企業では危機管理という言葉を使い、「うまくいかない」場合の対処法を準備しているそうです。それはそれでいいのですが、そもそも両方の計画書があってもいいのでは?

 
要するに、今どこでも作っておられる経営計画書あるいは経営指針書は、そこに示されている到達目標(戦略)を達成するため(だけ)の戦術が記されています。しかし、物事は常にうまくいくとは限らないのが常です。

 
やってみれば分かります。うまくいく時や成功する事柄もあれば、うまくいかない時も失敗する事柄もあるはずです。ならば、危機管理などという「まやかし」じみたものではなく、ハッキリとうまくいかない時には「こうするんだ」と明確に書いてはどうでしょう。

 
それも一つや二つの代替戦術だけでなく、思いつく限りの手段・方法を記しておけばどうでしょう。その場に及んで迷うこともないでしょう。長々と会議を開いて、侃々諤々と不毛な議論を繰り返す愚も犯さないでしょう。少なくともすぐに対応して、時間の余裕を生むことでしょう。

 
何になぜ? 全員に行き渡らなくても、経営者や経営幹部だけにでも「うまくいかない」時にのための経営計画書を、作成しておく意味はあるのではないですか。

経営者には簿記3級が必須条件だ

経営者は経理計数が苦手です、一般的にはですが。中には、数字のことはよく分からなくても経営のことは分かっていると、うそぶく方もいらっしゃいます。経営は好きだけど、経理とか会計は苦手だと。

 

営業活動でモノを売ることが得意だから佳いのだとか、企画開発については右に出るモノはいないのでとか、あるいはまた人脈を作っていくことが経営者の役割だという方も。

 

中には、経営者は経営さえ分ければいいので、最低限の計数知識だけ持っていれば十分だとおっしゃる、コンサルタントの方もおられるようです。

 

結論からと言うか、私が経営者に強く望むことを先に申します。経営者たるもの、簿記3級くらいは取得して下さいと。資格を取らなくても、最低限簿記3級くらいの知識を身につけ、経Photo 理担当者に指示できる実力を付けて下さい。

 

私自身のことを申し上げますと、恥ずかしながら経理計数、会計についての知識は全くなかったと言っていいでしょう。30余年前社員株主として自社の決算書をもらっても、中身はちんぷんかんぷん、辛うじて損益計算書を見て利益が出ていることを知るのみでした。

 

しかしながら、利益と名のつく項目(科目)がいくつも(実際には5つ)あって、一体どの利益がどうなのか、これまたよく分かっていない状態でした。

 

そんな中でMG(西順一郎氏が開発したマネジメントゲーム)に出会い、その体験と学びを通じて、経理計数、会計についての知識を身につけました。

 

しかもMGとの出会いから2年半、販売会社に経営者として出向するという機会をもらい、学んだ知識を実践で使うという幸運に恵まれたのです。資格こそ取りませんでしたが、簿記3級以上の実際知識を身につけられたのでした。

 

ですから、今でも自社(個人事業の小さい会社ですが)の経理は自分で行い、決算も申告も自力で仕上げます。今年の申告(青色と確定申告)も、会計データから自作システムで僅か3日間の作業で仕上げ、2月初めには提出を終えました。

 

そこまでやれとは申しませんが、少なくとも担当税理士さんときちんと話ができるくらいの実力は付けてほしいものです。そのことが、経営への自信につながるのです。だって、経営者は「経営のプロ」なのですから。

 

経営については、税理士さんを上回る経験を持っていますから、そこに経理計数や会計についての実際知識を持てば、鬼に金棒です。

 

あなたがもうかなりの年齢になられているのであれば、後継者の方に「簿記3級」の資格を取るように、命じてみませんか。同時に、MGも学んでいただくことをお勧めしておきます。

社長の座を誰かに譲られた方が良い

年度末、決算期に向けてラストスパートです。決算を迎えられる会社は、最終結果が気になるところで、「あと少し」という思いでハッパをかけられている経営者もいらっしゃいますね。

 

ところで「あと少し」どうするのでしょう?残り10日あまりでやれそうなことも、極めて限られていると思うのですが。売上上げろ!でしょうか、利益を確保しろというのでしょうか、それとも何をがんばるのでしょう。

 

おそらくハッパをかけられた現場の社員さんにとっては、もうやるべきことは全部やったよ、この上に何をやったらいいのと思っていなければいいのですが。以前にも言いましたが、そのために「やってはいけないこと」をやらないといいのですが。

 

つまり、無理に形だけの「売上を作る」とか、例えば製造会社では材料をたくさん仕入れて、工場に仕掛品を山積みすると「利益が上がる」のですが、まさかそんな手立ては講じていないでしょうね。

 

利益の出ている会社では、税金を払いたくないということで、無理矢理在庫処分をしてみたり、まさかそんなことはないと思いますが機械や車や工具備品を壊してみたり。

 

皆さんの会社ではそんなことはやらないことと信じておりますが。

 

ところで、会社の皆さんは決算末の時点での、やはりPL(損益計算書)を意識されていますか。当然に利益、とくに経常利益や最終(当期)利益を頭に置かれていれば、そういうことでしょうね。

 

でも、それと同じくらいBS(貸借対照表)も意識してほしいものです。一言で言えば、『美しいBS』を目指してほしいのです。それは、流動比率や当座比率と言った諸比率がどうのこうのではなく、まさに「見た目がきれい」だということです。

 

バランスが良い、突出したイレギュラーがない、隠れているものがない。誰が見ても、「良い会社だなぁ」と感じられる数字の並び。並んでいる数字が、自ずと語りかけてくれるような、そんな感覚です。

 

BSが美しければ、PLも必然的に良くなります。どんなに着飾ってみても本質が隠せないように、美しくないBSだと取り繕ったPLにしかなりません。

 

ところが経営者の方は、PLはうっとり眺めても、BSをしっかりと見つめることが余りないようです。というより、BSは苦手だ、わけが分からないと感じてはおられませんか。

 
あ、あわてて「教科書」など買いに行かなくてもいいですよ。買って来て眺めてみても、どうせ分かりっこありませんから。お金を無駄に捨てるだけです。税理士さんに聞かれても、諸比率の説明をしてくれるだけですし。

 
まずは穴の開くほど眺めてください、可能であれば3年分を横並びにして。そこから何も見えてこなかったら、社長の座を誰かに譲られた方が良いでしょう。

 
そして、できればMG(MQ戦略ゲーム)を20~30期、しばらく集中してやってみることです。今からでも遅くありませんよ。

正しい商道を選ぶのは経営者自身だ

前回は「カラ(空)売上」のことについて書きました。もっとも、実際には物も伝票も動いていますので、外形上は「カラ(空)売上」とは言えないのかもしれません。商習慣上というか、毎年馴れ合いのように繰り返している例もあります。

 

しかし、やり方を間違えば「粉飾」になってしまうこともありえます。粉飾にならなくても、作られた財務諸表、作られたBS/PLであることは言うまでもありません。

 

もしそんなことが常態化していたら、経営管理もへったくれもありません。それは商道徳の問題であり、ガバナンスの次元です。経営者たる者、「それは現場が勝手にやったこと」などと責任逃れはできないのです。

 

物が動いているかどうかは別として、伝票が動いて売上が計上され、売掛金が上乗せされます。それが期末であったり月末であることが一般的ですが、それを翌期あるいは翌月にPhoto_2 返品受け入れする「手口」です。

 

もし相手先が毎月20日締めで請求を起こす先で、しかも先方の締めも同様に20日である場合、こちらからは20日を過ぎてから売上を上げます。そして翌月20日前には返品してもらいます。

 

これによって当期あるいは当月の売上は上がります。しかし翌月にマイナス売上となりますから、売掛金はプラスマイナスゼロ、請求の上乗せもありません。相手先もリベートや販促金をもらう形であれば、そのくらいの手心はしてくれるでしょう。

 

しかし、何度も言いますがこれは正しい取引ではありません。当然、そのような数字を盛り込まれた決算書が正しい会社を表しているはずもありません。

 

会計は英語でアカウンティング、これは「説明」というのが本義です。会社の状態を説明するのですから、正しいものでなければ意味がありません。社員はその数字で会社の現状を知り、良ければ奮い立ち、悪いければ良くしようと燃え立つのです。

 

ステークホルダーたちは、それぞれの立場で次の動きや姿勢を考え、実行することでしょう。上辺を飾ったものなど何の意味もない、やってはいけない「問題の先送り」をやれば、それを繰り返さざるを得なくなってしまうだけです。

 

どの道を選ぶのか、経営者は選び決定しなければなりません。節税(が悪いとは申しません)のための無理な処理なども含め、ぜひ正しい商道を進んでいかれますように。

架空の空売上で作られた利益には意味がない

3月が始まってそろそろ1週間近い、今月が年度末という会社も多いと思うから、営業サイドはもちろん財務・総務サイドも決算を意識しながらの最終盤戦といったところだろう。

 

営業の立場から言えば、年度末に向けて今年度の当初目標を達成できるかできないか、それはまた部門や自身の評価にも直結する。余裕をもって最終月に突入できていればいいが、もう少し頑張らねばというなら気が気ではない。

 

そんな中で、良からぬ策略を考え実施しようとしてはいないだろうか。それは「空売り」という類の策略だ。大企業でも中小企業でも、多かれ少なかれやっているだろう。

 

親会社と子会社や関連会社間でも、少なからず見られる。メーカーなどでは、系列問屋への押しつけ売りなどもあるようだし、中には「商社売り」などという訳の分からぬものもある。

 

実は私も現役時代に悩まされたことだった。私の会社の場合には、親会社の部門からの押し付けだった。計画上はまだ数か月先の引き取り物件なのだが、期末に売り上げが足りPhoto ないからと、早めに伝票を切らしてくれというわけだ。

 

実際に物が動かないとまずいから、実際に陸送してくる。受け入れ側のこちらは、予期せぬことだから、倉庫のスペースを空けたりして大変だ。当然だがこちらの期末在庫は、計画より膨らむわけで、資金繰りにも少なからず影響がある。

 

もちろん、親会社としてはメリットも用意してくる。少し値引きをしてくれたり、支払いの手形サイトを当社の引き取り計画に合わせた日数で良いからと、甘い言葉を囁いてくる。

 

こちらは、販売子会社だから無下に断ることはできない。当然それを見越して、無理を言ってくるわけだ。

 

ところが、単独決算をしているから有効なだけで、グループで連結決算を採用していたら、子会社への売り買いは相殺されてしまうから意味がない。しかし、現場の担当者はそれを知らないこともある。

 

中には、「伝票だけ」を処理するといったとんでもないケースもある。物が動かないのは具合が悪いので、「預け」といった覚書まで交わして実行する。いずれにしても、作られた売り上げ、空売り上げであることには変わりがない。

 

そんな架空の数字を上乗せして、損益計算書が作られているとしたら、そんなものは経営管理や次への意思決定のベースとしては使えないだろうに。つまり、利益なんてものも作られた数字ってわけだ。

 

いったい、どれだけそういう数字が乗っかっているのか、外部のステークホルダーにはわかりようがない。そこで、キャッシュフロー計算書に意味が出てくる。「PLは意見、キャッシュは現実」の意味をしっかりかみしめたい。

 

さて、あなたの会社にはそんな訳の分からぬ架空の数字はないだろうね。

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