社員を大切にする正念場

新型コロナウイルスの国内感染者がついに昨日で2万人を超えた。


コロナによる倒産(負債1千万円以上)と見なされるものが、2月からの累計で312件を数えるという。

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何度かこのコラムでも述べているがこれは氷山の一角に過ぎず、休廃業の実態はその10倍以上とも言われている。


気が付いたらその店(や会社)がなくなっていたと言うことを、目にされてる方も少なくないはずだ。


業務の縮小や操業度を下げる措置を余儀なくされている企業も数知れず、それに伴う雇い止めなども相次いでいる。


上場企業でもこの夏のボーナス支給は6%以上ダウンしたと言われるが、もらえるだけいいではないか。


中小企業、いや零細企業ではボーナスを出せないところの方が多いに違いない。


ボーナスを家計のアテにしたり、ローンの返済原資と考えている家庭には痛手になるだろう。


ない袖は振れないと突き放してしまうのか、それとも最後まで努力はしたがやむを得ずとでは大きな違いがある。


ボーナスなんて当たり前にもらえるものだと、若い頃の私は思っていたし、実際に多寡はあれど毎夏と冬に受け取れていた。


しかし、子会社に出向して専務そして社長になって、それがいかに大変なことかを実体験として知った。


その会社は残念ながら累積赤字を抱え、親会社の有形無形の支援によりやっと債務超過を免れている状態だった。


自己資本比率9%以下、実質的には債務超過だったわけで、本来ならボーナスなど出せるはずもない。


しかし、給与もほとんど上げられていない中で、ボーナスももらえないとなると社員としては大変なことだ。


しかも一生懸命会社の使命を黙々と果たしてくれている、社員たちの気持ちに報わねばならないと思った。


通常であればそこそこに利益を出すことができれば、それを原資としてボーナスを出すというのが一般的だろう。


それではダメだと思った私は、年間計画の中にボーナスも盛り込んだ、その額はお恥ずかしいものだったが。


ギリギリの利益は確保できる計画の中で、出せる精一杯の数字だった。


この新型コロナ禍の現状はそれよりもはるかに厳しい、多くの企業が赤字決算を余儀なくされるだろう。


それでも、自分の報酬を削ってでもナントカしたいという気持ちは持ってほしい。


将来利益を原資にしてでも、たとえそれがいつもの年の額には届かなくても、ボーナスを出すという意気を示してほしい。


キャッシュは特別融資に頼ったとしても、実質無利息で当面の返済猶予という借入を実現するのが社長の役割だ。


社員の皆さんは、現場でそれぞれの役割を果たしてくれているのだから、社長として報いなければ心一つにはなるまい。


目指す方向を揺るぎないものとしてみんなで進む決意なのであれば、やるべきことは決まる。


企業とは、人を幸せするための・人が幸せになるための場所のことをいう。


これは坂本光司先生(人を大切にする経営学会会長)のことばだ。


あなたの会社は、そこの社長であるあなたには、これを実現していく責任がある。


コロナ禍という困難な条件に直面していても、成し遂げていかなければならない。


揺るぎのない信念で向かってほしい、きっと周りのみんなが支えてくれるであろう。


幸せな社員はお客様も大切にしてくれる、大切されたお客様が必ず会社を支えてくれるに違いない。


だからこそ今何をすべきなのか、ということを真剣に考え、揺るぎない決心と覚悟を持って行動していこう。


このコロナ禍が試練を与えるのは、あなたが人間としてホンモノかどうかを験しているということだ。


十分に心してもらいたい。

とある会社から

いわゆる「コロナ倒産」といわれる倒産件数(負債1千万円以上)が300件を超えた。


今後もまだまだ増えていくだろうと、信用調査会社は口を揃えて言っている。


自粛要請がほぼ解除されて街中にも人出が戻り、テーマパークの再開もドンドン始まっている。


それなのに、まるであざ笑うかのように首都圏での新型コロナ感染者が若い人たちを中心に増えてきている。


このままではまた自粛要請が出されるのではないか、ではまず自制自粛するかといったムードが高まりつつある。


そうなると、これまでの倒産件数が1位2位の飲食業や宿泊業に、さらに逆風が吹いていくことは間違いない。


しかも300件超という数字は、「ちゃんと」法的処理がなされた(予定含む)企業の話である。Photo_20200703092601


それもできない(つまり処理するためのお金さえ出せない)小さな会社・店の数は、はるかに多いことが明白である。


倒産や廃業の直接原因は、言わずもがなだが「お金が払えない」(キャッシュが無くなった)ということだ。


企業は赤字が続いてもすぐには倒れないが、キャッシュが無くなるとアッという間に倒れる。


キャッシュの元は何か、売上だと思っている経営者が多い、間違いではないがそれではダメだ。


売上が上がっても、仕入支払(多くの場合売上回収に先行する)や経費の支払い、租税公課の納付ができるのか?


売上も回収(平たく言えば集金)ができなければ、キャッシュは手元に溜まっていかない。


先日ある会社から電話があった。知り合いの知り合いという縁で、相談事があるという。


こういう時代だから、リモートで相談を受けることにして30~40分くらいお話を聞いた。


コロナ騒動で売上が大幅に落ちてこのままいくと立ちゆかない、どうやって売上を上げたらいいか相談に乗ってほしいと。


とにかく切羽詰まっておられるのだろう、次から次へと息を継ぐ暇もなく状況を語られ「大変だ」と繰り返される。


社員さん10人足らずの小売業だということは、しばらく経ってようやく分かった。


このままいくと「ご先祖に顔向けができない」というところで、ようやく状況説明が終わった。


ところで、と私は切り出した。「前月までの業績、売上と粗利、経費の総額はどのくらいでしょう?」


一瞬間があった。(その突きの第2営業週くらいだったが)「まだ数字が出ていません」と言うご返事。


いつ頃分かりますかと重ねて尋ねたが、「いつも翌月の中頃に税理士さんから(試算表が)届きます」という。


これでは相談もあったものではない、せめて前々月のものとも思ったが、それではこのコロナ禍での現状が不明だ。


結局、当たり障りのない一般的な対策、とくにキャッシュフローについての対策をお話ししたが、理解されたのだろうか。


先方ももっと具体的な妙手を期待されたのであろうから、少しガッカリされたことだろう。


最後に似たような業態の店がやられている事例を1つだけ紹介したが、おそらくそういうことはやれないだろうなと思いつつ電話を切った。


社員の皆さんのためにも、ぜひ厳しい事態を乗り切ってほしいと願うばかりだが。


あなたの会社はどうだろうか、前月の数字(とくにMQ=粗利額)は翌月すぐに把握できているだろうか。


当月の見込み数値、もちろんMQの見通しあるいはせめてMQ目標が見えているだろうか。


月初めの営業会議にその数字が反映された当月の対策、行動計画が立てられなければならない。


いい会社であれば自明の理のことだが、もしあなたの会社がまだできていないなら、それこそ「大変だ」と自覚してほしい。

「経営者のノート」を読み込む

人を大切にする経営学会に入会して、坂本光司先生に学び初めて6~7年になります。


そのきっかけになったのは、著書「日本でいちばん大切にしたい会社」ですが、


並行してネット(Kindle)版で読んだ『経営者の手帳(2010年)でした。



独立してちょうど3年ほどの頃、経営者へのサポートとして自社の目的を明確にと頭を悩ましていた頃でした。


様々なヒントをいただく中で、「3S経営」というメッセージを発信することにした時機でした。


3Sとは、CS(顧客満足)+ES(従業員満足)+SS(地域満足)でした。


しかし坂本先生から学んだことでまずESを中心軸にし、さらに「社員満足」と言い替えました。


それでもまだ足りない、なんだろうかと模索する中で学会とのご縁ができたわけです。


そこで学んだ中で、当初は「3S+アルファ」という中途半端な表現をしていましたが、


数年間に先生の言葉をそのままお借りして「五方よし経営」を進めることを、サポートの根本に据えました。


新型コロナウイルス感染拡大に伴って、クライアントへの直接訪問・指導がやりにくくなってしまいました。


社員研修もままならない、そんな状況の中でどうしたらいいのかとしばし立ち往生しました。


しかし切り替えも早かったようで、できないことを嘆いていたも仕方がない、「今がいい」と素直に受け入れることでした。


そこでリモート、オンラインでの仕事が可能かどうか、当初は試行錯誤でしたが心配ご無用といったところです。


さて、そんな中で届いた先生の新刊本が『経営者のノート』(あさ出版)です。

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10年前の『経営者の手帳』の改訂版でもあり、この10年間の新たな変化に伴うポイントが示されていました。


新型コロナという直接表現はありませんが、そのことを頭に置いて読むといいかもしれません。


確かに企業を取り巻く状況は大変とか厳しいとかいう表現を通り越して、中には危機的状況もあるでしょう。


そんな中でも定めるべき視点を狂わせないこと、ずらすべきではないということを痛感させられます。


コロナ倒産が日増しに増え、また理不尽なリストラ(首切り)や下請け切りが横行している今日、経営者の問われる本質を確認していきたいものです。


小さな会社ほど難しいこともあるでしょうが、それが経営者の責任であることを今一度しっかり自覚したいものです。


それは、「社員とその家族を大切にする」いうこと。


さらに仕入先や協力先の社員とその家族を大切にするということです。


その上に成り立つお客様第一、あるいは地域への貢献であることを再確認して時代を切り拓いていきましょう。


この一冊をいつも手元に置いて、実践して参りましょう。

ウィズコロナかアフターコロナか

コロナショックとも称される今回の新型コロナウイルス感染拡大騒動も、いくらか落ち着いてきたようです。


収束が現実のものとなってきたという方もいらっしゃるようですが、私はまだまだだという気持ちでいます。


昨日も東京では50人近い感染者が出たとか、その数で一喜一憂するわけでもありませんが、「自衛」には限界があるように思えます。



各地で色々な物事について「自粛」指示・要請が解除されてきていますが、いささか拙速ではないのか。


そうはいっても、リーマンショック以上に落ち込んだしまった経済を立て直すには、やむを得ないところもあるでしょう。


人々の意識は確かに変わってきたと言えますので、ガイドライン以上に慎重に進めていただきたいものです。


問題はそこです、つまり人々の意識が変わってきているということは、人々の行動も並行して変わってきているということです。


この本質的なことを見極めていないと、これからの企業経営は成り立っていかないと言えましょう。


そんなこと分かっているよと多くの経営者は言われます。


分からないということは論外ですので、当然今の状況を踏まえた変化を肌で感じ理解することは序の序です。


脳力開発では「分かる」「できる」、そして「やる」という三つの段階の間には、大きな溝があると言っています。


今現在、頭の中で「分かっている」という状態であるとしたら、相当に立ち後れていると言わざるを得ません。


「分かる」段階からもう「できる」という意識に達していれば、、、それでも遅れています。


でもまぁ、まだ遅れをカバーしていくことは可能でしょう、一気に「やる」という段階に達すれば。


段取り八分で周到に準備をしてから、全てを整えてから始めますというのは「平時(平常時)」の発想です。


今は平時ではない非常時、あるいは「戦時」というくらいに気持ちを切り替えていなければなりません。


小さな会社だから小回りもきくし、すぐに時代(の流れ)に追いついていきますよ、、、甘い、甘い。


第三者的に観ていて分かることは、一流いや超一流の大企業の動きの速いことです、さすがだなと感心させられます。


確かに図体は大きいですが、組織・システムが柔軟に個別に動けるようにちゃんとなっているのです。


だから、やれるところから「やる」というスタイルが既に機能しているということが、具体的に見えます。


本来は小さな会社の特性であるべきことがそうではなくて、こんな状態で大丈夫かと思うことも少なくありません。


もちろん、やっているところはやっていますよ、やっていないところとの距離は開いていくばかりです。

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ロケットであれば、すでに二段目三段目に点火して、あるいはすでに新しい空間に飛び出してなければならない時機です。


ウィズコロナがどうとかこうとか、アフターコロナ時代はどうしたら良いのかなどと、のんびり考えているヒマはありません。


動きながら、やりながら考えるという小さな会社の良さを発揮しなければ、あなたの会社の存在空間はなくなります。


僅かな小姓だけを連れて清洲城を早朝に飛び出した織田信長、


熱田神宮でとりあえずの兵を集結し、善照寺砦で体制を整え、桶狭間山の今川軍に向かうその行動に倣ってみませんか。

私が『脳力開発』を奨めるわけ

新型コロナウイルス、中には中国(武漢)ウイルスという人もいるようですが、


確かに最初の感染流行地は武漢であったとしても、今の日本のウイルスは欧米で変異したものとも言われていますね。


根本的なところを一つとっても、こんな風に情報は様々で別の説を唱える人もおられます。


この例では事実(確定的事実)はいくつかあるのかも知れませんが、


たいていの場合は一つの事実に対して諸説が出ていたり、あるいは確定的でない情報が諸々あるということも。


今回の感染情報にしても、最初の頃は「他のコロナウイルスと同様ただの風邪の原因」くらいだという情報がありました。


武漢での流行の時にも、コウモリからだとか市場の食材(魚介類など)が媒体だというものがあり、


人から人に大感染するという事実が出てきてようやく、これは大変だとなったのではないでしょうか。


それでも当時(1月や2月の初め)はまだ対岸の火事という意識で、私自身もまさかこれほどの状況になることはほとんど予想し得ませんでした。


情報が不確かで判断がまだ右往左往している頃は、どうしても自分が望む方向に気持ちが引きずられかけます。


目先のイベント(セミナー)や訪問遠征などは取りやめても、数ヶ月先には状況が良くなることを期待していたようです。


それが甘い見方であることは、やがて事実情報が整理できてくると分かってきて、当然ですが判断も変わっていきました。


年内に「元に戻ることはない」と判断すれば、今年の戦略は一気に転換です。


新たな戦略を決めれば、これまでの戦術に固執する必要はありません。


できないことはあっさりと捨てきり、やれることを考え実行して行くのみです。


普通の会社の仕事はそうはいかないよ、ってあるクライアントさんが言われましたが、「普通」って何でしょう。


当社が特殊な仕事(コンサルティングやセミナー)をやっているとも思わないのですが、周りからはそう見えるのかな。


そのクライアントさんには、戦略とくに経営理念や長期計画はそのままでいいが、短期計画は見直しすべしとアドバイス。


それに基づいてやれることとやれないことを、まずはキチッと整理整頓してみるようにお願いしました。


こういう(会社を取り巻く)環境条件下では、以前と同じことでできないことが多々出ているはずです。

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それを無理矢理に中央突破していくことが正解なのか、それとも迂回してでもやるのか、


そうではなくて全く違うやり方ややることを見いだして、そこに力をかけていくのか。


経営トップであるあなたがどう判断して、どの方向に進むことを選ぶのか、まさに正念場と言えましょう。


会社の命運は経営者の双肩にどっしりとかかっています。今こそ脳力開発を学ぶことをお奨めします。


判断と意思決定、そして社員の皆さんを(とその家族をも)巻き込んでいくのですから、強いリーダーシップが求められます。


今こそ脳力発揮の時、ピンチをぜひチャンスに変えていきませんか。

オフィス不要論は定着する

オフィス不要論が飛び交っている、これも新型コロナウイルス感染拡大のもたらしたものだ。


5月15日の日経オンラインに、「オフィス不要論」を論じた記事が掲載され、実態も明らかにされつつある。


接触回数を減らす、三密を避けるということを目的にテレワークを導入する企業が増えたことは事実だ。


在宅勤務することで通勤の往復がなくなり、それだけリスクが減ると同時に時間の節約にもなる。


満員電車を避けることも大事であるが、長い時間の通勤での疲労もない。


もちろんいいことずくめではなくマイナス面も少なくない、また仕事的に不可能な職種もある。


働き方改革というより、仕事の流れ(業務フロー)の改革(さらに変革)が始まったといえるだろう。


業務を一つ一つ見直してみると、必ずしもオフィスに来てやらなければならない仕事ばかりではないことが分かる。単純化できる仕事もある。


また、いちいち書類や伝票にして「物理的に」次の過程(部署)に送る必要もないことが分かった。


デジタル化できることが分かって、紙ベースの保存が不要だとなるとファイルが要らない、ファイルを置いておく棚も不要だ。


これまでは大きなサーバーを置いてデジタルデータを管理してきたが、外部クラウドを活用すればよい。


そうなれば、書類棚やキャビネットを置いておくスペースが節約できる。


週に1度か2度しか会社に来ない社員には固定した机も要らないだろう、となるとさらにオフィスの広さも。


会議も全員が一堂に会する必要はない、これまでもテレビ会議などをやろうとしたが、システムには多額の費用がかかった。


しかし、ZOOMを始めとする様々なオンライン会議システムが登場し、急速に普及しつつある。


付加機能も徐々に開発されていて、毎週のようにグレードアップしていて、プラス面を活用すれば仕事そのものが変わる。Photo_20200524184401


在宅勤務・リモートワークだとかオンライン会議というと、大きな会社でないとできないと思っていたが、そうではない。


むしろ小さな会社ほどやりやすい、小さいからこそすぐに変えていくことが可能だといえる。


時間の次は空間だ、今までのようなスペースの広さは要らないということになってくる。


既に賃貸スペースを半分前後にする企業も出てきている。F(固定費)の中でも大きい賃貸料が節約になる。


通勤や出張が減れば交通費も減る、労災事故のリスクも減ることが確実だ。


もっと極端になればオフィスは要らないという企業も出てくる、新たに起業する場合にはとくにそうだろう。


そうなって困る企業もあるだろう、新たなビジネスモデルたドメインを模索していくことになるだろう。


もう世の中は変わっているのだ、待ったなしで。立ち止まっている暇はないよ。

フェーズが変わっても

来週には、関東圏も含めて緊急事態が解除されそうな方向に向かっています。


全国的にも新たな感染者の数が減っており、新潟県でも昨日まで7日連続で感染者ゼロでした。


営業自粛もとくに限られた業種業態以外は、ほぼコロナ前に戻るようで「フェーズが変わる」との声も出ています。


それはそれでけっこうなことではありますが、じゃぁ完全に元通りになるかと言えば、そんなこともなさそうです。


確かに色んな制約が取り払われましたが、いったん変わった人の心が元に戻ることはないでしょう。


心が変わる、意識が変わる、それは言うまでもありませんが行動の変化です。


人間の行動変化に合わせた仕事のあり方、商いのあり方がしばらくは模索されることでしょう。


その変化に対応できない企業は、残念ながら消え去ることを運命づけられることになります。


すでにコロナ禍が引き金になっている「コロナ倒産」が出ており、今後も増え続けていくでしょう。


表に現れているのはごく僅かであり、その100倍、いや1千倍にも達するという見通しを述べる人もいます。

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このブログで何度も繰り返していますが、企業の倒産はキャッシュの行き詰まりという現象です。


先日アパレルの名門、レナウンの倒産(民事再生法適用申請)がニュースになりました。


数百億の売上規模を誇る一部上場企業ですら、たった数千万円の手形決済ができないことで倒れてしまうのです。


いや、大袈裟に言えば「たった1円」足りないだけでも行き詰まってしまうのが経営の、キャッシュの怖さです。


皆さんの会社は、ちゃんと手元流動性を高める手立て、すなわちキャッシュを準備する手を打たれたと思います。


コロナ禍の中で国や都道府県、市町村で様々な施策が発表されていますので、既に活用されていることでしょう。


先ずは給付金(持続化給付金)や協力金、それから特別融資。補助金や助成金は時間がかかりますが、申請申込を早めに。


地方税などの猶予や免除など、キャッシュの流出を抑える手立ても打っておかなくてはいけません。


ヤミ金融など、くれぐれも甘い罠には引っかからないように気を付けることも大切なことです。


社員とその家族を守る、仕入先・協力先の社員とその家族を守る。あなたの会社のお客様のためにも、


企業をずっと継続していくことが経営者の使命であり、最も重要な役割です。


このコロナ禍は、上述のように社会の変化を伴っていますから、経営のあり方も変化しなければなりません。


その実現を支えるのが一緒に働く社員さんであることを心に銘記し、明日を目指していきましょう。


今こそ心を一つにして、真の『五方よし経営』を実現するチャンスです。

あきらめるのはまだ早い

当初の緊急事態宣言の期限は、昨日5/6から月末31日までに延長された。


「特定警戒都道府県」に指定されている13都道府県はほぼこれまで通りだが、その基準や対応にはやはり差異が見られる。


他の34県はそれぞれの直近状況によって、対応がまちまちになっている。


中には、かなりの自粛緩和や解除になるところもある。その意味では単なる延長ではなく、新たな段階に入ったとも言えよう。



新潟県も一定の対応策を講じることを条件に、営業自粛要請・指示をはずす業種も少なくない。


県内の学校は5/31までの休校延長が多いが、市町村によって分散登校日の実施や登校日の前倒しも行われるようだ。


さて、営業を自粛していた、あるいは時間短縮を実施していたお店(や会社)が、その解除後に元通りの状況に戻れるかどうかは疑問である。


9割減とか10割減とはならないだろうが、2~3割減なら上出来で5~6割減状態がやっとではないかという見方もある。


おそらく店側としても「3密」を避けるために、テーブルやイスを減らしたりレイアウトも変えざるを得ないのではないか。


必然的に客数が減るが、さりとて客単価が上がるとも言えまい。売上(PQ)=客単価(P)×客数(Q)だから、考えるまでもない。


月間のPQが200万あって、粗利率が50%で粗利益(MQ)が100万、経費(F)が80万だと経常利益(G)は20万円。


これが例えば売上半減だと(Gは)どうなるか? そのくらいはすぐに計算できないと困るよ。


やってみよう、PQが100万、同じ粗利率でMQは50万、Fを節約して8掛けにして64万だとGは▲14万、つまり赤字


もしF(給料、家賃、電気・ガス・水道代、消耗品代などなど)がそのままだと、▲30万円の大赤字


Gが全て現金で得られていると仮定しても、数ヶ月以内に資金的にも行き詰まってしまう。

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でもあきらめてはいけない、キャッシュさえ回っていけば、赤字が続いてもしばらくは大丈夫だ。


給付金の類は、少々手続きや書類などの準備は面倒だが、もらえそうなモノはぜひもらっておかねばならない。


それをサボっていては経営者失格だろう。どんな給付金や補助金があるかは、ホームページに出ている。


また無利子無担保、据え置き期間ありの貸付金もあるが、これは返済時期までは給付金並みだと考えてよい。


いずれは返さねばならないとしても、それは先の話であるから、もう少し落ち着いてから考えれば済む。


その他借入可能なモノがあれば、キャッシュ(運転資金)はしっかり確保しておくべきだ、ためらってはいけない。


これまで、いざという時への準備が足りなかったなとか、銀行ともっと仲良くしておけばと反省するのはまだ先のことで良い。


そのことに気付いただけでも良しとして、やれることを探して次々に手を打つことだ。


社員がいればその社員と家族のために、仕入先や協力先のために、そしてあなたとあなたの家族のために。


なりふり構っている場合ではない、立っているものは親でも使えだよ。


長期戦だよ、持久戦だよ。耐久力はあるかい!?みんながついてきてくれているかい?

必要資金は確保できていますか

4月新年度のスタートから2ヶ月目、大手企業の3月末決算情報が伝えられています。


新型コロナウイルス感染が拡大する中での決算は予想を下回る企業が多く、特に第4四半期は赤字続出です。


しかも大企業の場合は、その赤字の額も桁違いの大きさです。


しかも緊急事態宣言がさらに延長される状況でまだ終息はおろか、収束への道筋も見えな現状がつづきます。


よって、今年度の最終計画すら見通せない、数字が出せないという会社ばかりです。


また中小企業の「コロナ倒産」も急速に増えてきており、とくにこれから中堅クラスの倒産が目立ってくるという専門家も。

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そんな中でも、経営者は会社を守り通すことに全力を注いでいかなければならない、それが社長の役割ですから。


縁あって一緒に仕事をすることになった社員さんとその家族を、必ず守り抜いていかねばならないからです。


行き詰まった企業の社長も、少なからずその思いを持っておられたことと信じたいです。



確かに新型コロナウイルス感染拡大は想定外をはるかに上回るものです。ですが突然の「悪化」だけが原因だったのでしょうか。 


会社は赤字でもしばらくは倒産しません。赤字がずっとつづけば早晩行き詰まりますが、しばらくは維持可能です。


保ち続けている間にキチッとした手を打つ、つまりお金(キャッシュ)が行き詰まらぬことが全てです。


「(月商の)3ヶ月分」、最低でも2ヶ月分は用意しておかねばならないと書いた本もあります。


決して間違いではありませんが、「人を大切にする経営学会」でご指導いただいている古田土先生(税理士・公認会計士)もは、「それでは足りない会社が多い」と言われています。


先日も引用した古田土先生の「会社を潰す社長の財務!勘違い」より、今一度引用させていただきます。


<A社> 売上高2億円・変動費1億円(粗利益1億円)・固定費8000万円・利益2000万円 ※月商1670万円
<B社> 売上高10億円・変動費9億円(粗利益1億円)・固定費8000万円・利益2000万円 ※月商8300万円


月商の3倍の資金(キャッシュ)が必要なら、A社は約5000万円、B社は2億5000万円ということになります。


必要資金(運転資金)は、売掛債権+在庫ー買入債務(UZK:W=U+Z-K) で計算されますが、分かりやすく在庫を省いて計算します。


単純化して(1年間入金出金がゼロとすると)、売掛債権=売上高、買入債務=変動費。


こうするとAB社どちらも、必要資金(資金不足)は1億円となります。つまり手元必要現金はどちらも1億円です。


先日私のクライアント会社に尋ねましたら、具体的な資金繰り対策を上げてくれ、すでに実行済のものもありました。


さて、あなたの会社はどうでしょうか。今の時期は、公的支援策(国や県、市など)も打ち出され、会社を守るための手段がいくつか選べます。


会社の顧問の先生、政策金融公庫や取引銀行の担当者に詳しく相談してみることです、一日でも早めに。


最悪の状況に向かいそうであれば、当然に社長自身は報酬返上、社員さんにもしばらく泣いていただくことも。


でも、必ず明るさが戻って来るはずです、完全に元に戻るには数年かかるかも知れませんが。


必ず来るはずの復活に向かうための人財は、しっかり確保しておかねばなりません。


その為にも現状はどうなのか、これからどうしていくのか、その先に目指す会社の姿は。


そういったことを社員さんとしっかり共有して、誰も体験したことのないこの困難な危機状況を乗り越えていきましょう。

小さな会社だからこそ

今日は「昭和の日」、いつもの年ならここからGWが始まるのですが、今年は同じGWでも「(セルフ)ガードウィーク」といったところでしょうか。


ステイホームが叫ばれ、ロックダウンには至らぬものの、多くの街は灯の消えたような寂しさです。


営業を自粛する会社やお店も多いのですが、完全に締めてしまっては生き続けられないとやむなく営業を続けるところも。


事実として、いわゆる「コロナ倒産」と称される企業倒産(民事再生、破産等)が主立ったものでも100件を超えました。


小企業から、次第に中堅企業に拡がってきているようで、新潟県内でも既に5社を数えています。


ただこれはまだ表に現れている数字であって、「いつの間にか」会社や店を閉めていたという例も少なくないと思います。


弁護士さんにあとを委ねて廃業に踏み切れるのは、まだマシな方かも知れません。


それこそ一夜明けたら「夜逃げして」しまっていた、というようなこともこれから雪崩のごとく噴出してくるのではと懸念されるところです。


何とか生き残ろうとして非常手段を採る企業も出てきています。

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非正規社員や派遣社員の雇い止めは日増しに数を増していますし、その波は正規社員にも及ぼうとしています。


休業や一時帰休なども、補助金を得ながら施策として打ち出されてきています。


今から45年前、私も新卒入社の年に一時帰休を体験しました。あの時は第1次オイルショックだったでしょうか。


もっとも労務部員だった私は、週に3~4日休業しながら通常の仕事に加えて、一時帰休の手続き書類を作る仕事などが重なり、出勤日はほとんど深夜までの残業でした。


何しろまだコンピュータシステムのない時代、書類はほとんどが手書きでした。コピーも青焼きが主流だったですね。


一事業所でも2千数百人が勤務していましたから、その作成書類だけでも膨大なものでした。


私などは本当は担当外だったのですが、余り戦力にはならなくてもかり出されてこき使われました。


でも今回のコロナショックは、その時代をはるかに超える、それこそ史上初めてとも言えるものだろうと思います。


小さな会社は経営者も社員さんも、文字通り瀬戸際の苦難でしょう。心を合わせて乗り切っていくしかありません。


共に信頼し合って、お互いの生活を守っていくために知恵と力を出し合って参りましょう。


励ましにもなりませんが、小さな会社だからこそ乗り越える力を持っているはずだと私は信じています。


そこがなまじ大きな会社とは違うはずなのです。苦難福門、必ず明るい朝がやってきますから。

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