脳力開発は人間学であり行動科学です(167)

こんなように社内改革・イノベーションを推進していったわけですが、もちろん順調にいったわけではなく、いくつかの紆余曲折があり、時には失敗もありました。それでも全般的には目指す方向に推移できたのは、まさに社員たちの努力のたまものでした。

 
 現場の実務ではMGによる共通意識と交通言語、そしてマイツール(PC)の活用が効果をもたらしましたが、その推進力になったのは脳力開発の指針でした。指針を意識し、行動を見直し、実践していったからこそ効果を生んでいくことができたのです。

 
 では、その指針を今一度一つずつおさらいしていくことにしましょう。その一は「自分で主体的にやる姿勢をつくろう」です。脳力開発は対比思考ですので、反対側から見れば「人頼りの姿勢をやめよう」となります。201302 (イラストは「人頼りの姿勢」のイメージ)

 
 では「人頼りの姿勢」とはなにか、いうまでもなく結果の原因を自分以外に求める姿勢のことです。他人はもちろんのこと、使っているものや、果ては天気にまで原因を求めます。そして、決して自分のせいではないと思い、主張し続けます。

 
 ではそれらが全部自分の思い通りに整っておれば、何もかにもうまくいくのでしょうか。ハッキリ言って、それは保証の限りではありませんが、当の本人はうまくいけば満足し、いかなければさらに不足不満を言いつのることでしょう。

 
 表面に現れる行動は、相手(自分以外)のせいにして、その相手をバカにするか八つ当たりする。うまくいかないから、思い通りにいかないからため息をついてグチを言う、不平を言う。ではそうしていたら、物事は解決方向に向かうのでしょうか。

脳力開発は人間学であり行動科学です(166)

長々と「変革のための指針・真のリーダーの心得」について解説してきましたが、これらは脳力開発の基本(土台)である、『11の指針』に基づいています。すでに何度か書いてきたことですが、改めて1つずつチェックして参りましょう。

 
 その前に、MG(マネジメントゲーム)と脳力開発との関連を、少し書かせていただきます。私が任された赤字の販社を再建することができたのは、社員全員でMGを学び、その考え方を経営のベースとして実践したことにあります。T_img_1303

 
 しかしMGだけでは為し得なかったと思います。道具としてのパソコン(マイツール)活用という戦術選択も、成功への後押しになりました。それ以上に脳力開発を全員が学ぶことで、人間的土台を作り上げることができたことが大きかったと考えています。

 
 企業再建の実現には、既存人材の「人財化」が不可欠だとしましたが、物理的な制約もあって教育の3つの柱、MG・脳力開発・マイツール(PCの活用)を同時にスタートさせることは困難でした。そこでまず結果の出やすいマイツールから始めました。

 
 日々の仕事をパソコンでやるように置き換えていくことですから易しく感じますが、それまで「手書きと電卓」だった社員には、まず意識改革が必要でした。しかも資金不足の中ですので、使えるPCの台数も僅か3台からのスタートでした。

 
 これも3年後までに「一人1台」にするという目標を立て、試行錯誤が始まりました。次はMG研修です。こちらも様々な制約から秋から、しかもゲスト数人を招いての社員ワンデー研修が最初でした。それでも何とかキックオフしたわけです。

脳力開発は人間学であり行動科学です(165)

長々と「変革のための指針・真のリーダーの心得」について解説してきましたが、これらは脳力開発の基本(土台)である、『11の指針』に基づいています。すでに何度か書いてきたことですが、改めて1つずつチェックして参りましょう。

 
 その前に、MG(マネジメントゲーム)と脳力開発との関連を、少し書かせていただきます。私が任された赤字の販社を再建することができたのは、社員全員でMGを学び、その考え方を経営のベースとして実践したことにあります。T_img_1303

 
 しかしMGだけでは為し得なかったと思います。道具としてのパソコン(マイツール)活用という戦術選択も、成功への後押しになりました。それ以上に脳力開発を全員が学ぶことで、人間的土台を作り上げることができたことが大きかったと考えています。

 
 企業再建の実現には、既存人材の「人財化」が不可欠だとしましたが、物理的な制約もあって教育の3つの柱、MG・脳力開発・マイツール(PCの活用)を同時にスタートさせることは困難でした。そこでまず結果の出やすいマイツールから始めました。

 
 日々の仕事をパソコンでやるように置き換えていくことですから易しく感じますが、それまで「手書きと電卓」だった社員には、まず意識改革が必要でした。しかも資金不足の中ですので、使えるPCの台数も僅か3台からのスタートでした。

 
 これも3年後までに「一人1台」にするという目標を立て、試行錯誤が始まりました。次はMG研修です。こちらも様々な制約から秋から、しかもゲスト数人を招いての社員ワンデー研修が最初でした。それでも何とかキックオフしたわけです。

脳力開発は人間学であり行動科学です(164)

周囲の状況が厳しい時、つまり困難な時期であったり混乱の渦中にあたる時ほど、根本の信用を確立する時であるとも言えます。周囲と同じようにもがいて流されていてはいけません。正にこういう時こそチャンスなのですから。

 
 何しろ周囲は色々と焦って無理をしていたり、あるいはぼろを出しかねない状況なのです。ですからこういう時こそ、堅実に丁寧に、お客様(の利益)中心の活動を地道に進めていくのです。その動きは必ず評価され、信用を増していくことでしょう。201308

 
 でも、くれぐれも慌ててバタバタしてはいけません。目前の利益に飛びついたり、ライバルをおとしめてみたり、言うなれば商道にもとるようなことをしてはいけません。リーダーの真価が問われると言っても過言ではないでしょう。

 
 やるべきことはあくまで基盤づくりです。協力者を作り広げる、お客様の欲するところや困っていることをいち早くつかんで、喜ばれることを目指す。こういう確実な前進と蓄積が、やがて状況が好転してくる時に生きてくるのです。

 
 また、外的状況が谷にさしかかった時は、リーダーを中心とする組織集団をより強くしていくチャンスでもあります。以前に2/6/2の原則(法則)についてお話ししましたが、中間の多数勢力を上位勢力に近づけていくチャンスでもあるのです。


 いずれにしても一貫した戦略、すなわち土台づくり・基盤づくりをしていくのだという強い意識を持って臨むことです。リーダーが揺らいではいけません、焦らず押しつけず、多少うまくいかないことがあっても、次はうまくいくという信念を捨てずに。

脳力開発は人間学であり行動科学です(163)

環境条件が全体的に悪い時には、逆に自分(や自社)にとって有利になる点が意外に多いものです。ただ、悪状況だけに気をとられていると、違うポイントになかなか気付くことができません。リーダーはアンテナを伸ばし、脳力を使って見つけるのです。

 
 こういう混乱期というか、悪条件が渦巻いている中の過ごし方、あるいは乗り切り方で強者と弱者の差がつくといっても過言ではありません。真のリーダーには、こういう混乱期こそ、正に向上していくチャンスに他ならないのです。Photo_2

 
 逆に周り全体が調子の良い時には、特に動かなくても波に乗れてしまうこともあるもので、その勢いに乗ってうまく行ってしまうことがあります。しかし、なぜそうなっているかも分からず、反省もないので波が収まると勢いが一気に下がります。(写真は山あり谷ありのイメージです)

 
 真のリーダーは、こういう順調な時期にもしっかり脳力を発揮して、将来のためにマイナスになる要素や体質の崩れ、根本的なゆがみなどに心を配り、キチッと手を打ちます。それ故に、勢いがなくなっても一気に崩れてしまうことがありません。

 
 ですから、環境条件には山あり谷ありが必要なことなのであり、リーダーは谷にさしかかる前に、一層の体質強化やムダの排除などの内部充実を図り終え、いざ谷底に至る前に焦ることなく、乗りきるための仕事を地道にこなしていくのです。

 
 その準備もなく、谷底に完全に至ってから慌てたのでは、とうてい間に合いません。それどころが体力不足で、むしろ危険状況を招きかねなくなってしまいます。なんとかしようと焦れば焦るほど、余計に悪い状況に足を踏み入れてしまうのです。

脳力開発は人間学であり行動科学です(162)

変革のための指針、最後の第10条は「嘆きの人生か、楽しみの人生か、自分の意志でどちらにもできる」。サブリードは、「何が真の損得なのか? かけがいのない人生にとって・・・」です。ここは自ら考え選択せよというのです。

 
 そう、ここは(人生の)戦略決定なのです。そんなこと、言われなくても「楽しみの人生」を選びますよ、とおっしゃるかも知れません。でも軽く考えてはいけません、真剣に方向を定めなければ、なまじの心では行動が伴わないのです。

 
 つもり、ではいけないのです。楽しみの人生を目指すつもりのレベルでは、すぐに底が割れてしまいます。気が付いたら、逆のことをやっていて現実に嘆いてばかりいる、というのではたまりません。戦略を選ぶとは命を賭けることなのです。Photo

 
 そしてリーダーは明るく愉しくなければいけません。リーダーが眉をひそめ、苦虫をかみつぶしたような顔をしていたのでは、その下でついていく人たちの士気は上がりません。たとえ厳しい現実にぶつかっても、空元気ででも笑っていなければなりません。

 
 ピンチの時にこそ最大のチャンスがある、ということを心に刻み込んで下さい。よくピンチはチャンスと言いますが、簡単にそうなるのではありません。ピンチが勝手にチャンスに変わってくれるわけでもありません。

 
 とくに周り全体が悪い時には、逆に大きなチャンスと捉えるべきなのです。自分にとって有利になる点(条件)が意外に多いのですが、意識を持っていないと気が付きません。意識とは脳を使うこと、脳力の活用で大きな差がつくのです。

脳力開発は人間学であり行動科学です(161)

「上が変われば下も変わる」と言います。リーダー自身が常に自己を変革する意識を持って、自己啓発や自己訓練に励むことが大切です。そのような努力や姿勢がなければ、とても下はついてきませんし、本当のリーダーとは言えません。

 
 リーダーが率先して行動しなければ、部下を鍛えようとしても、また広く人材を求めようとしても実現はしないでしょう。MG研修でも「上からやる、下からもやる、一気にやる」という、成功の法則があります。まず上からなのです。

 
 経営者自身がリーダーではなく、現場のリーダーに変革を委ねるのであれば、経営者はPhoto どこまでもリーダーを支持し後押ししなければなりません。時にはブレーキを踏む場面もあるでしょうが、決してリーダーの推進姿勢を妨げてはいけません。

 
 経営者がイコール組織の変革リーダーではない場合、リーダーは変革の成功を求めて必死になると同時に、経営者にも認めてもらいたい意識が働きます。人間としては当然のことですが、さらに目的意識に燃えるように励まし、時には叱咤して下さい。

 
 そしてくれぐれも、途中ではしごを外したりすることにないように気を付けてほしいものです。例が多いわけではありませんが、いくつかそういう事態を目の当たりにして心を痛めたこともあります。余りにリーダーが可哀想です。(写真はイメージ)

 
 もちろん、任せられたリーダーは常に自己変革を心掛け、自分から変化していくことを忘れず、本気で変革に取り組んでいくことです。それがリーダーとしての役割であり、自らをさらに高めていく道であることは言うまでもありません。

脳力開発は人間学であり行動科学です(160)

さて、変革・革新の成功のキーポイントとなる中間グループ、この多数派の人たちは日和見であり、風見鶏的な思考や行動をします。だからといって、その人たちをバカにしたり、嘆いたりしているだけは前進どころか、かえって後退してしまいます。

 
 このグループを強力に味方側に作用させられるかどうか、そこが勘所です。そのためにはきちんと戦略を明らかにし、方向を明示し、その行動についてできるだけ具体的に易しく説Photo 明、指示していくことが求められます。

 
 抽象的なスローガンや、フィーリング的な概念だけでは、人は動いてはくれません。時には意識を高めるために、「やる気」を鼓舞することもあるでしょう。また、強制力や義務づけをチラつかせるような姿勢も、リーダーの心得でしょう。

 
 さて、リーダーに力がありますと、次第に同志や協力が現れて上位人材が育ってきます。上位人材(人財)はリーダーが方向だけを示せば、きちんと自ら考え行動し結果を出してくれます。もっとも、それだけを見ていて満足してはいけません。

 
 目先の成果に満足し氣を緩めていると、つい自己満足に陥ってしまったりして、全体を見通すことができなくなり、偏った情報だけで判断をしてしまうことになる可能性があります。脳力開発では「情勢判断を誤る」と、これを戒めています。

 
 中間の大多数から目を離してはいけません、そこが上位グループと歩調を合わせてくれれば、変革は間違いなく成功に向かいます。油断をしていると、下位グループに引きずられて元の木阿弥になってしまうことに注意が必要なのです。

脳力開発は人間学であり行動科学です(159)

リーダー(TまたはV型)は、もちろん上位20%の人財といわれるグループに属していることが多いわけですが、ではそういうクラスの人間ばかりを集めれば、とてつもなく素晴らしい組織が出来上がるかというと、決してそうではありません。

 
 実は、その中でまた262の構成比になってしまうのです。これは下位の20%を組織から切り離してみても、同じ結果になると言われています。実際にやった経営者がいるのですPhoto_2 が、忠告に従えばよかったと、しばらく後に語られました。

 
 優れたリーダーは、中間の人在を上位の方に引き寄せる力を持っています。中間は「その他大勢」なのですから、引き上げることができれば大きな力になるのです。しかも、「人罪」をも使いこなす、少なくとも足を引っ張らせない知恵に長けているといえます。

 
 切り口を変えてみましょう。変革・革新(イノベーション)という大きな変化を目指す時、初期の段階では2/6/2のグループ割合にもならず、圧倒的に中間グループが大多数です。時にはリーダーだけが先行して後が続かない状態のこともあります。

 
 通常の場合目立つのは一番下位の「変化に反対」、あるいは足を引っ張ってくれる存在ですが、最初はまだそれほどのマイナス存在ではありません。それなのにそこを気にしすぎて、見逃してしまうのが、中間である大多数のグループの存在です。

 
 実はここが変革の軸になるのです。リーダーは、いかにこの中間グループを自分の側に引きつけ、結集できるかがカギになるのです。初期段階の内に、協力体制を確立していくことに注力すべきなのです。下位グループなど放っておけとまでは言いませんが、そのくらいの意識でもよいのです。

脳力開発は人間学であり行動科学です(158)

変革のための指針、第9条は「レベルの高い方が苦労するのは宿命である」。サブリードは、「真のリーダーにとって、困難と苦労が生じなければそれは異常」です。何だかリーダーへの慰めのような章ですが、実はその通りなんです。

 
 これまでにも書いてきましたように、組織や人をある方向に向けていこうというのは骨の折れることなのです。人の行動や思考の習慣、すなわち土台を変革に向かっていくようにするのは、一朝一夕にはいきませんので時間がかかります。

 
 その間、リーダーはじっくりと見守りながら、タイミングよく適切なアドバイスやフォローを忘れてはいけません。時には壁にぶち当たることもあるでしょうし、第一に相手はなかなか言うT_201704_262 ことを聞いてはくれません。しかし諦めてはいけないのです。

 
 レベルの高い方が苦労する、ここでいうところのレベルの高い人がリーダーです。リーダーにも専門性の高いI型リーダーと、総合力のT型リーダー、さらにバランスのとれたV型リーダーがいます。ここではTまたはV型リーダーを取り上げています。

 
 少し別の角度から見てみましょう。「2/6/2の原則」ってご存じでしょうか。組織の中の「じんざい」は、2割・6割・2割の割合でそれぞれ、人財と人在、そして人罪に分かれるというのです。どの組織にも共通する法則だそうです。

 
 人財は積極性があり、優秀な実績を残していく上位20%のグルー プ、人在は上下どちらでもない60%のグループですが多数派です。そして人罪は積極性もなければ実績も出ない、行動もしない下位の20%グループです。

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