脳力開発は人間学であり行動科学です(148)

 こちらの言うこと、意見や主張がそのまますぐに通ること、素直に受け容れられることの方が珍しい。これを脳力開発では特異性というのですが、その反対の原理原則が普遍性です。通常であれば普遍性が働いている、この認識を持って下さい。

 
 このことを踏まえた上で、目的に向かって真剣な前進と努力を続けていきましょう。反応が鈍くとも、あきらめずにやるべきことや目的をしっかりと具体的に、伝え続けていくことが大切です。もちろん自ら率先垂範で行動することが第一です。

 
 そうすれば、例え時間がかかっても理解してくれる人が現れるものです。一緒にやろうかと言ってくれるメンバー、不言実行でやってくれる味方が次第に出てきて、確実に増えて、必ずや主流になっていきます。この確信を強く持つことです。

 
 誰も言うことを聞いてくれないと嘆いて、これはもうだめかなと思うこともあるでしょう。しかし嘆いて終わりにしても、ホントにいいのでしょうか。こんな時には、少し角度を変えて現実をPhoto_3 見つめ直すことが必要だと言えます。

 
 つまり、違う角度から観れば、誰も言うことを聞いてくれないということは「悪条件」の一つです。悪条件はいつでも存在します、不可避であると共に不可欠なのだと思いませんか。自分をより高みに導いてくれる「砥石」のようなもの。

 
 すなわち、悪条件は自分を高めるために存在している、もっと高いレベルにいきませんかと手招いてくれているのです。こんなチャンスは二度とないと腹をくくって、さらに行動を積み重ねていく決心を固めることです。

脳力開発は人間学であり行動科学です(147)

変革のための指針もここから後半、第6条は「他人や周囲は、言うことを聞いてくれないものである」。サブリードは、「物事は思い通りにならない方が通常」です。何だか突き放されたような感じがしますが、ここはとっても大事なところです。

 
 大事というよりもむしろ、これが原理だ、真実の姿だというところでしょうか。自分を振り返ってみて下さい、何もかにも自分の思い通りになってきたという方、いらっしゃいますか? 自分のことでも思い通りにならないのに、まして他人のことは。

 
 原理に逆らっても仕方がありません。原理は原理としてしっかりと受け止め、その上でできPhoto_2 ることをやっていけば良いではありませんか。できないことはやらない、そのかわりにできることは必ずやること、やれることをやらないのは論外です。

 
 せっかく変革(とまでは一気にいかないからまず改革・改善)を志し、いざ始めてみたのはいいのだけれど、一向に進んでいかない。笛を吹けども動かない、朝礼やミーティングの場などでハッパをかけるのだけれど、どうも覇気が感じられない。

 
 ついつい「お前たち、やる気やるのか!?」と怒鳴ってしまう、こちらがカッカくればくるほどメンバーたちはしらけてしまう感じです。あ、やってしまったと思うのだけれど、いったん出した言葉は戻ってはきません。

 
 そこで原理原則に立ち返ってみましょう、「他人や周囲は、言うことを聞いてくれないものである」と。正しいことや当然だということを前面に押し出したからといって、これがそのまますぐに通るわけではない、素直に聞いてもらえるとは限らないのです。

脳力開発は人間学であり行動科学です(146)

それとともに大事なことはサブリードの「できるところからすぐにやる」ということです。すぐやる、まず一歩を踏み出すことをためらう人が非常に多いのです。ためらっているという意識はないのですが、様々な理由をつけて踏み出さないのです。

 
 やらない理由、やれない理由はいくらでも出てきます。二言目には「必ずやります」と言うのですが、時には1ヶ月たっても2ヶ月たっても変化がないことも少なくありません。そして「やPhoto_2 れない理由」も自分のせいではなく、他人のせいであることがほとんどです。

 
 先日もそういう方がいらっしゃいましたので、「いつまでにやる」のかを決めて下さいとお願いしました。納期、リミットを決めることが停滞から逃れる方法の一つです。できるところからやりましょう、今からすぐに。

 
 「私にはできない」という意識を持ってしまうと、せっかくのチャンスを取り逃がしてしまうことが多いのです。その意識は最大のカベであり、最大の妨げ要素といえます。それも他でもない、自分自身で作ってしまっていることに気付いて下さい。

 
 さらには、「できる理由(要素)」はなかなか思い浮かびませんが、「できない理由(言い訳)」は山のように出てきます。言い訳なんかを並べ立てる暇があったら、足を一歩前に出してみなさいよというわけです。つまり始めることが大事なのです。

 
 まず立ち上がる、立ち上がったら足を一歩前に出す。右でも左でも良いのです、どちらにしようかなんて考えないことです。あとは着実に一歩ずつ、一口ずつ進めていくだけです。それ以外にやりようがないのだし、やれば確実に成果が出るものです。

脳力開発は人間学であり行動科学です(145)

変革のための指針、第5条は「着実にたんねんに、一歩ずつ歩め、一口ずつ食べよ」。サブリードは、「すぐできるところから、すぐにやるべし」です。個人的には、私が最も好きで、色んなところで紹介している条文です。

 
 千里の道も第一歩から始まると言いますが、どんなに長い道のりでも一歩一歩の積み重ねです。階段も一度に34段と飛ばしていけば速く到達することも可能ですが、途中で足を滑らせたり、つま先を引っかける危険性もますことになるでしょう。

 
 美味しい食事もそうですね。山ほどの珍味や豪華な食材を並べられても、一度に口の中にほおばれば、味も何も分からず苦しい思いをするだけでしょう。一口ずつじっくり味わってPhoto 食べれば、つくってくれた人の思いまでも噛みしめられることでしょう。

 
 経営者としては、営業活動でも生産活動でも、新商品や新規お得意先の開発、そして人材の育成についても、一気に「最終回答」あるいは「ゴール」を求めたがります。かけるコストが大きくならない内にと、願っているわけでもないのでしょうけど。

 
 また、勉強熱心な経営者の場合、あちこちのセミナーや講演会に出かけて情報を仕入れ、とくに成功事例やうまくいきそうなノウハウがあると、あれもこれも自社の中でやろうとします。まさに美味しい食事がずらりと並ぶ感じです。

 
 脳力開発の根本は意識づくり、習慣づくりにあると書いてきましたが、習慣が自分の中に定着していくためには時間が必要です。それとともに確認しながら反復することが求められます。だからこそ一歩ずつ、一口ずつしかできないとも言えます。

脳力開発は人間学であり行動科学です(144)

最も多いパターンは、MGを継続して全社で取り組んでも、なかなか期待した効果が出てこないことです。全体的にやる気が感じられず、しかもMG反対派も存在する。そしてやがて、トップが「やめる」意思決定を下すという流れです。

 
 こういうパターン、およびホンのちょっとかじっただけで継続しないという例が多いのですが、そばで見ていて「あともう少し我慢して続ければ良いのに」と思うのです。まぁよその会社のことですから、むやみに口出すこともできませんが。

 
 そう、停滞が続いている時にもう少し我慢して、そこでもう一度トップが「続ける」と宣言してカツを入れると、そこから急上昇していくことが十分に期待できます。少数ですが、そうやっPhoto て今でも定着し、安定した経営を続けている会社もあります。

 
 長々と研修・セミナーの効果が表れる事例をお話ししましたが、本質的な変化には時間がかかるということをお分かりいただきたいのです。現状維持の考え方や行動を変える、好きでないものでも、自分から進んで取り組む姿勢にまで高めるのです。

 
 リーダーはその効果、結果が出るまで投げてはいけないのです。自滅したら、それまでやっていきたことが一気にムダになってしまい、自分もメンバーも、そして会社にもプラス効果を生みません。推進役として、決して諦めてはいけません。

 
 問題はリーダーが一所懸命なのに、トップがいきなりはしごを外してしまうことです。実はこの事例も少なからず見てきました。可哀想なのは当のリーダーです、組織の中で孤立し、辞めてしまった例もいくつか見てしまいました。

脳力開発は人間学であり行動科学です(143)

MGも脳力開発でもそうなのですが、多くの研修・セミナーは効果がじわじわと出てくるものです。即効性のある勉強会、とくに実務(技術)的内容を含むもの(実務研修)は、翌日からでも現場で活用できて効果を生むものがあります。

 
 しかし、人間の本質にアプローチする研修、例えば人間性や行動力、思考力を向上させることが目的である場合は、その学びや気付きが自分のものとなって実際の効果を現すまT_img_1456 でには、時間がかかります。何しろ本質が変化するわけですから。

 
 そこのところが十分に理解できていないと、効果を急ぎすぎるがために、なかなか効果が出ないことに嫌気を感じてしまいます。もう少し続けていけばというところで、やめてしまう、本当にもったいないなと感じるところです。

 
 MG
研修を例にとりましょう。29年余この研修に直接関わってきて、様々な企業の実例を見て参りました。MGが良いと聞いて、企業ぐるみでセミナーに参加されるところも少なくありません。中には最初から、順調に効果が出ることもあります。

 
 例えばMG用語がすぐに社内の共通語になるとか、戦略会計の社内活用が始まり、実際に利益数字も上がり始める。このように右上がりの効果が出て、しばらくは上り調子。しかし、いつまでもとはいかず、停滞の時期(プラトー)が表れます。

 
 ここで、もう一度エンジンの再起動を行えば、再び右上がりに好転する可能性もありますが、多くの場合はプラトー状態が続くか、右下がりの状況が始まります。ことに下がり始めると、これを止めるのには相当なエネルギーを要します。

脳力開発は人間学であり行動科学です(142)

変革のための指針、第4条は「変革という本質的変化には時間がかかるのである。」サブリードは、「自滅するな、そしてやめるな」です。変革というのは、誰かが口で唱えたぐらいではとても実現されないということを、肝に銘じておきましょう。

 
 単なる言葉ではない本当の変革、これを本質的変化と呼んでいるわけですが、何しろこれまでやって来たことを覆すくらいの変化なのですから、なまじの気持ちでは遂行できません。最高の脳力発揮の場であることを自覚して臨みたいものです。

 
 何故なら、現状という出発点が非常にまずい状況だから、変革という到達点はかなり高みにあるのです。本質を変えなければ、組織構造やシステムはもちろん、私たち自身の考え方や行動そのものを変えていかなければならないのですから。

 
 本業のコンサルティングの話になりますが、私の場合はその多くが人材の育成、つまり社員さんをレベルアップしていくというのが仕事の中心です。経営の体質強化や組織力をアップする、いずれの場合もまず人材力のアップが課題になります。

 
 私の場合は、主としてMG(マネージメントゲーム)を活用しての研修と、脳力開発のプログラムを対象企業の状況に合わせて提案し、取り組んでいただきます。その時に問題になるのは、効果が出るのにどのくらいの時間が必要かです。

 
 社長(経営者)とすれば、そのことは一番重要なポイントなのですが、「お湯をかけて3分で」という感じにはなりません。中には感性よくすぐに気付きを得て「自分を変えて」下さる方もいますが、全般的にいえば効果や結果が出るのは先の話になります。

脳力開発は人間学であり行動科学です(141)

企業再建というものも変革、それもこれまで当たり前のことを覆していくくらいの、大きな変革になる場合があります。普通にやって来たことを否定されるのですから、戸惑い以上に反対や反発も不可避です。しかしためらってはおれません。

 
 私(の会社)の場合も、表だった反発こそありませんでしたが、消極的な態度などで反発しているなと感じました。基本土台を作るための研修や、これまでなかったパソコンの導入なT__20170220_15_13_36 どは、なかなか思うようには進めることができません。

 
 しかし、一人また一人と積極的に研修に参加してくれる社員が現れ、パソコンをとにもかくにも使ってみるかという社員も出てきました。1年から2年かかって点が線になり、3年目くらいからそれが面として見えるようになってきました。

 
 点から線へ、そして線が面に広がっていくということは、情報の共有が実現していくということに他なりません。情報の共有はやがて目的の共有となり、その方向が一致すれば、そこから先、リーダーは細かい戦術指示をしなくて済むようになります。

 
 ということは、点から線にもっていくところが最も大変で苦労する部分であり、線から面へはそれよりは少なくとも楽であるということです。そして面が出来上がり広がっていく段階になると、リーダーは戦略チェックだけでもよくなるのです。

 
 とまぁ簡単に書きましたが、多くの場合その最初の段階、点から線への段階で音を上げてしまうことが多いようです。次の第4条はそのことをズバリ指摘しているのです。ここで書いたことを踏まえて、では次にステップを進めていきましょう。

脳力開発は人間学であり行動科学です(140)

同志が複数になり、さらに協力者が現れるようになりますと、「線」が増え、それらが相互に影響し合いだして「面」になっていくのです。こうなったらしめたもの、さらに面を増やしていくことができれば、主流の存在に近づきます。

 
 しかしながら、いつもそんなに順調に進むものではありません。よくある姿は、同志や協力者がなかなか出現しないで、あるいは少数しか集まらずにイライラしてしまうことです。そうなPhoto るとグチや不平、不満がつい口に出てしまいます。

 

 自分は正しいことをやっているのに、あるいは会社のためをおもって努力しているのにといったように、「のに」が口をつくようになると注意が必要です。それでは、一所懸命やっていることが無になってしまう、不本意な結末を近づけるだけです。

 
 正しいこと、いわゆる正論を主張し実行しているからと言って、それがそのまま認められる、そのまま通るとは限りません。あるいは、素直に耳を傾けてくれるわけでもありません。企業の発展に必要な研修だと言っても、素直に受けてくれるでしょうか。

 
 むしろ反対や抵抗の方が多いのではないでしょうか。何しろ現状を変革していこう、すなわちある意味現状を否定しようというのですから、抵抗があって当然なのです。社長やリーダーだからと言って、強権で突破しようなどと思わないで下さい。

 
 必ず味方ができる、それを信じてやり続けることが第一です。目標を持って、真剣に努力し続けることです。そうすればゼッタイに同志ができ、協力者も現れると確信することです。進歩発展を目指す姿勢を忘れぬことは言うまでもありません。

脳力開発は人間学であり行動科学です(139)

変革のための指針、第3条は「同志と協力者を一人ずつ増やしていくことが変革の過程である。」サブリードは、「点から面へ、そして主流に」です。経営再建の過程の中でも、まず心がけたのは、これからやろうとしていることを分かる社員を作るということでした。

 
 それには何より、私がやっていることを同じようにやってもらうということでした。当然のことですが、最初はみなおっかなびっくりです。拒否反応を示す、あからさまではないけれど、消極的に反対の姿勢を見せることも少なからずありました。

 
 そこでめげてはいけないのです。他人は(自分の)思い通りには動かないという、脳力開発の土台がありますから、とにかく時間をかけてやり続けるしかありません。必ず誰かが分かPhoto ってくれるはず、部分的にでも、部分を合わせれば形になると信じて。

 
 第2条のサブリードにありますように、変革はまず一人から始まります。というより、誰かが始めるのを待っていたり、行動を共にしてくれる仲間を待っていたのでは遅い。タイミングを遅らせることなく、自ら「まずやる」ことが大切です。

 
 しかし、一人で始めたと言っても、いつまでも一人でもがいているだけでは変化が出てきません。小さくても効果が表れ、周囲にも見えてこないと過ぎにステップに上がれません。そこで、同志や協力者の存在が必要になるのです。

 
 変革の方針や方向性を分かってくれる同志の存在は、とっても重要なものです。分かってくれるだけでなく、一緒に実践してくれれば、なお言うことはありません。同志ができれば、あなた自身と合わせて「線」ができるのです。

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