世の中が悪い!

私の本職は経営コンサルタントです。人づくり、経営者教育や社員教育がメインですが、もちろん経営面でのコンサルティング、指導も要望に応じてさせていただきます。2008年4月からは3年間に亘って、地元の商工会議所を拠点に中小企業経営を支援しました。

2008年は、ちょうど「リーマンショック」の起こった年でした。秋口過ぎから相談件数も増えてきて、週に1社2社と経営者との面談を行いました。そこでは必ず苦しい企業状況が語られ、経営者が感じている「理由(要因)」もいくつか耳にしました。

最も多かったのは、「(リーマンショックの影響で)不況になったので」とか、「納入先の大手企業が生産を縮小したので」といったもの。卸小売の企業からは「消費が停滞して売上が落ちた」や、、「新しく大きなショッピングセンターの進出でお客を取られた」 などなど。

だから、「何か良い方法はありませんか?」というわけです。「どこかでうまくいっている事例があれば教えてほしい」とか、「補助金とか助成金で使えるものはありませんか」などという相談も目立っていました。

気持ちは分からないではなかったのですが、本音をいえば、こんなことを並び立てているようでは大変だよなという気持ちでした。一刀両断に切り捨てれば、これらはすべて「人頼り(の姿勢)」です。もちろんそう言って切り捨てるわけにはいきませんから、切り口を変えて質問をしていったわけですが。

上記で上げておられるような「理由(要因)」は、すべて原因(真因)ではなく条件(副因)です。それが分かっていなくては、手のつけようがないのです。条件は外因ともいいますが、その反対の内因が原因というべきものです。

原因は内にあり、そこに自ら気付いていただくために、時間をかけてお話をしました。中には、こちらが言わんとするところを理解されて、前向きな方向性につながる原因を表に出して来られる経営者もおられましたが、残念ながら半数以上は相変わらずの姿勢が続きました。

現状が正しく把握され、さらに原因が明確になれば、方向性すなわち今後の戦略についてのお話をすることができます。その中では各地の事例や、あるいは支援システムについても的確なものを提示することができるというものです。

超円高の昨今、あなたは原因と条件をしっかり区別していますか? 間違っても「世の中が悪い」なんて言ってはいませんよね。

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相手中心主義がY理論

土日の長岡MGに続いて、月末の30-31日は栃木県の日光MGに参加して参りました。ここでは一人の参加者として、長岡MGの中での反省も含めてじっくり学び交流させていただきました。

日光MGは、日光市(旧今市市)でたまり漬けの製造販売をされている、上澤梅太郎商店さんが主催されている西研MGセミナーで、もう10年以上続いています。全社員参加の、いわゆる社内MGからのスタートですが徐々に社外参加が増え、今回も半数が社外からです。

実は長岡MGも、スタートは私のいた会社の社内MGに社外の方をお招きしたところから始まりました。2回目から完全に公開セミナーにしてしまいましたが、社員全員参加の原則は私が会社を離れる年まで維持継続しました。

そういうことを思い出しながら、上澤卓哉社長や奥様の社員さんに対する姿勢に共感を覚えておりました。また、最終講義の中で西先生が「顧客第一主義」が言われているが、「相手中心主義が本当のY理論」とおっしゃったことが印象的でした。

ですから、お客様第一主義(CS)に代わるものとして従業員第一主義(ES)が叫ばれたりしますが、「相手中心主義」ならどちらも並立できます。日光MGも、そんな波動が満ちあふれていて、より深く学び、そしてよりフレンドリーに交流させていただきました。

長岡MGでも、またこれから新潟県内外で開催する色んなセミナーの中でも、この「相手中心主義」をしっかり伝えて参ります。

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人頼りの姿勢をやめよう

お盆休みが終わって、今日から仕事を再開という会社も多いようですが、中には節電という理由で今週いっぱいはまだ夏休みというところもあるようです。私のところ(新潟県長岡市)は東北電力管内ですが、お盆前から「綱渡り」の状況が続いています。

私も日中は自宅事務所に一人ですので、今年は全くクーラーを点けていません。幸い南北の窓を開けていると風が通りますので、仕事のテーブルを風の通り道に近い方に移しています。さらには小型の卓上扇風機が大活躍、そして熱いお茶(焙じ茶と煎茶)です。

さて、私事はともかくとして、今日は『人頼りの姿勢では切り抜けられない』と いうお話をしましょう。実はこの『人頼りの姿勢』は、私の脳力開発セミナーでもトップスリーに入る重要ポイントの1つです。

脳力開発セミナーでは、自己点検確認チェックシートを使って参加者の皆さんに自己点検をしていただきますが、自分が人頼り(他人頼り)傾向だと分かってびっくりされる方もおられます。しかしその理由を聞いて、ナルホドとも思われます。

企業のコンサルティングで訪問面談をしても、経営者の80%以上は自覚なしの人頼りと言っても過言ではありません。例えば自社の苦戦の状況について、こういうお話をされます。

  • 公共事業が減って受注が減ってしまって大変です
  • 大震災(の風評被害)で売上が激減したんだけど・・・
  • 近くに大きなSCが進出してきてお客様がそちらに流れてしまってねぇ
  • ライバル店が安売りするんで儲からないんだよ
  • 新企画を考えているんだけど銀行が融資にウンと言わなくて  等々

とにかく、こんなことをぼやいている間はとても良くなるはずはありません。これらは全部が「人頼り」が言葉に表れた例です。別のことで言うと、原因を追求せずに環境や条件のせいにばかりしているということです。

こういう経営者は、ひたすら「風が吹いたら桶屋が儲かる」情勢(環境条件)を待っているのでしょうか。そんな状況など、ひっくり返ってもやって来ませんよ、というのも疲れますよ。ではどのように現状を打破していけばいいのでしょうか。

原因は我(我が社)にあり、今一度この原点に還ってしっかり現状分析と原因追求をやり直してみることに尽きるのですがね。

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『人罪』を切ってはいけない

今年のお盆も猛烈な暑さが続いています。お墓参りで熱中症になっては、それこそご先祖様に申し訳ないところですので、くれぐれもお気を付けて。

さて、今日は脳力開発セミナー(公開セミナー)の「まとめ講義」の中で、いつも申し上げているお話からです。より詳細についてはセミナーで聴いていただくとして、ここではその概要だけを書かせていただきましょう。

人材には3種類ある」という言葉を聞かれたことはありませんか。あるいは、入社した時には「人材」だが、時が経過すると3つの種類に分かれてくるとか。

企業内の「じんざい」は、2:6:2に分かれると言われています(「2:6:2 の法則」)。3つとは、人財と人在と人罪ですが、これが企業の中でそれぞれ2割、6割、2割に正規分布するというのです。分け方に異論がないわけではありませんが、大方そうなるのも間違いないようです。

人財は言ってみれば、自らに火を点けて燃えることのできる社員で、現場を任せることができ、しかも周りをグングンと引っ張っていける力を持っています。人在はどっちつかずですが、火を点けられればそれなりに燃える社員です。

他方、人罪社員は天の邪鬼とも一匹狼とも称されることがありますが、要は火を点けられてもくすぶるだけで燃えない人種です。時には上からの指示には従わず、マイペースで協調性もなく、お荷物扱いをされることもあります。

そこで企業のトップとしては、あるいは現場リーダー(マネージャー)としてはこういう人罪は切った方が良い、と考えられるようです。実際に思い切りよく切ってしまった会社も見たことがあります。その結果、どうなるでしょうか。

実は切ってしまって人財と人在だけになるかというと、またそこから2:6:2の法則が働いてしまうのです。

結論から言いましょう、人罪社員を切ってはいけないのです。ある場面で、大きな力を発揮する可能性を秘めた彼らは、彼らの存在価値を持っているのであって、バランス良く活用するのがトップやリーダーの役割であり力量なのです。

なおこれは、かつて人罪社員を自負していた私自身の体験から感じているお話です。

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専門家の陥穽

立秋が過ぎたというのは、単に暦が進んだことなんだということに気付きました。昨日今日と、とんでもない猛暑が列島を覆っています。37度とか38度というニュースを聞いても、何だか頭がボンヤリしてピンとはこなくなっています。

その温度も、直射日光の当たらない風通しのよいところでの話ですので、実際に日なたの道路上やグラウンドの上は40度をはるかに超えていることでしょう。 そんなグラウンドの上で繰り広げられている、高校球児の一所懸命さには頭が下がります。

さて今日は、『専門家』というくくりの方のお話です。

専門家というのは、広い定義をすれば「特定の分野について深い知識と技能を備えている」人のことを指します。ですから、分野の数だけ専門家がおられるわけですし、『私は○○の専門家です』と名乗れば、別に周りが認めなくてもそれはそれでOKです。

それとは別に、肩書きを持っておられる方もたくさんいらっしゃいます。大学の教授はもとより、お医者様、芸術家や音楽家といった方は、世間からも大いに認められている方々です。他にも『士業』という方々もいらっしゃいます。弁護士、税理士、司法書士などいわゆる国家資格をお持ちの方。

中小企業経営者に密接に関わりのある専門家というと、税理士、社会保険労務士、あるいは中小企業診断士といったところでしょうか。その道の専門家として立派な方ももちろんいらっしゃいますが、残念ながら『経営のプロ』と名乗れる方はどれほどいらっしゃるでしょうか。

国家資格に無縁な私などが申し上げるのはおこがましいですが、確かにその道については一家言も持たれているし、規程の仕事を遂行する専門力は追随を許さないでしょう。そこに陥穽があるのです。

すなわち専門の道には秀でておられても、そこからはずれることについては素人、時には素人以下であることも少なくありません。昔ある著名な方とご一緒したことがありますが、このセンセイ、なんと駅の自販機で「切符を買う」ことができませんでした。

専門のことはよく知っているが、他のことは・・・では経営はできません。経営は、深く狭くと浅く広くの組み合わせ、バランスだということを知っておくことです。その上で、この専門家にはどこを任せるかを自ら決めなければなりません。

その道の方は同業の方だけで固まりやすいので、その道以外のことが見えなくなる恐れもありますので、くれぐれも資格や肩書きだけに目を奪われないように。 専門家が陥っている落とし穴は、専門家ではないあなたの方がよく見えているはずですから。

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在庫は滞留し不良化する(2)

鎮魂と復興への誓い、長岡大花火も終わって夏の暑さが戻ってきました。

今年の大花火2日目(8/3)は、PC仲間たちとの楽しい時間を過ごしました。Facebookの勉強会から始めて、酒蔵見学と銘酒の試飲、仕上げが大花火見物でした。しかも打ち上げ場所から数100mのところでしたので、音も光も迫力満点でした。

さて、標題のお話です。前回は在庫が不良化するプロセスの一端をご紹介しましたが、今回は不良化した在庫がどんな悪影響をもたらすかを考えてみます。

今一度繰り返しますが、不良化した在庫も「流動資産」です。不良化していない、つまり「生きた在庫」とBS上ではなんら変わりがないのです。「流動資産」とは、現金預金並びに(1年以内に)現金化する資産を指します。

確かに「生きた在庫」は速やかに現金化されて、会社の血液として循環して利益を生んでくれます。しかし不良化した在庫は、いうなれば血管の中のヘドロ血であり、動脈硬化を起こす要因です。そのまま放置しておくと、人間であれば脳卒中や脳梗塞を招くでしょうが、企業も同じです。

ではこの不良在庫をどうしたら無くすことができるでしょうか。もちろん、売れてしまうことがいちばんです。しかし「売れないから不良化した在庫」です、どんなに値段を下げても売れないのです。それじゃぁ棄ててしまうか、でもそうは簡単にいきません。

BS上の左側(資産)をマイナスすれば、右側(負債・資本)もマイナスしなければなりません。資本つまり利益という純資産を削らなければならないのです。 逆に言えば、利益が出ていなければ処分すらできないのです。

不良在庫は多くの企業で発生が避けられぬものです。ならば、コンスタントに処理することを年間計画にあらかじめ盛り込み、その上で利益を確保していくことが必要です。在庫という見えるものですから、それは決して難しいことではありません。しっかり監視して参りましょう。

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在庫は滞留し不良化する(1)

今日は猛烈に暑い日です。東海や関東では台風の影響で雨風が大変なようですが、左回りの熱風が山越えして吹き付ける越後新潟はフェーン現象で気温がうなぎ上りです。昼のニュースで既に36度を超えているところが多いようで、さすがに今日はクーラーを点けました。

さ て企業のキャッシュフローに大きな影響を与えるのは、売上債権と在庫、そして買掛(仕入)債務の三つです。前2者は必要キャッシュを増 やす方に働き、最後の1つは逆に減らす方に作用します。それぞれの頭文字(U/Z/K)を取ると次のように表されます。

  W=U+Z-K   ※W=Working Cash 必要資金(キャッシュ)のこと

この辺りの詳細についてはまた項を改めて書こうと思っていますが、いずれにしてもこの3つの要素をしっかりコントロールすることが大事なことを、まず頭に入れておいて下さい。

さて、今日は在庫です。在庫も、製造業と流通・小売業とではとらえどころが若干異なります。また、サービス業では在庫のない商売も存在します。例えば私のような経営コンサルタントは、言ってみれば「在庫ゼロ」の業種業態です。

流通・小売業における在庫は、そのほとんどが製品(商品)在庫です。店頭に並んでいる商品はもちろん、バックヤード(倉庫)に多くの商品が蓄えられています。製造業では、製品(完成品)の他に、材料(主材料と副資材)在庫、中間品(仕掛品)在庫が加わります。

私は会社のコンサルティングをお願いされた時には、必ず倉庫とトイレを見ます。トイレの話は今日の主題ではないので省略しますが、敢えて言えば「トイレが汚い会社」は願い下げです。

さて倉庫ですが、整理整頓されているかはもちろんですが、ホコリを被っているかどうかや包装などが古くなっていないかも注意して見ます。そして必ず奥の奥まで見せていただきます。なぜなら、その辺りに滞留在庫が置かれているケースが多いからです。

在庫を管理する担当者の気持ちとしても、あるいは仕入・販売の担当者としても、よく動く商品は手前の管理しやすく出荷にも便利な手前側、通路側などに置きたいものです。反対に動かないもの、古くなってきたものはどうしても後方に下げてしまいがちになります。

後方に下げることによってますます目に付きにくくなり、やがては滞留してしまいます。根が生えて動かなくなると言うとさらに分かりやすいでしょう。そう なってしまった商品は、帳簿上は「お金」と同等の価値を与えられていますが、もう金輪際「お金に変わる」ことがなくなります。

そうなってしまった滞留商品を「不良在庫」と呼ぶのです。繰り返しになりますが、不良在庫もちゃんと金額でその価値を表され、BS(貸借対照表)の左側に載り続けることを忘れてはなりません。

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不良化する流動資産

さて、いよいよBS(貸借対照表)の中身についてです。BSというのはバランスシートの略ですが、これはご承知のように左右が同じ金額になるというところからきています。正確に言うと、同じ金額になるようあるところを調整するのです。

そのことはまた後にして、貸借対照表というと何ともいかめしい名前で、会計を学ぼうとするとこの名前だけで虫酸が走る人もいるようです。簡単に言いますと、ある時点での会社の資産つまり財産がどのくらいあるか、その資産をどういうお金で賄っているのかを表した表のことです。

ですから「残り表」という別名があって、こちらの方が貸借対照表と言われるよりはずっと分かりやすいのではないでしょうか。また「ある時点」と申し上げましたが、これはどの時点でも、例えば今日という時点での残り表も作れます。決算書では、決算期末日を基準にしています。

左側が資産です。その多くが目に見えるもので、例えば現金や預金、商品をはじめとする在庫、土地建物、機械や備品、車などの運搬具などが代表です。その他、売掛金や受取手形などの売掛債権、貸付金、仮払金、前払金、目には見えない権利的な財産など多岐に亘っています。

目に見えるものですから、本来管理がしやすいものです。在庫品、細かく言えば材料在庫、工場などにおける仕掛品在庫、そして商品在庫、販促品などの貯蔵品在庫なるもがあります。これらはそれぞれの倉庫や棚、店頭などに、キチンと整理しておかれているはずです。

また売掛金や受取手形なども、昔は台帳(売掛帳や手形帳)、今はコンピュータで日々の残高や手形期日が管理されているはずです。割引や取立に回った手形も、キチンと目に見える形になっているはずです。

ところで、こういった現預金や売掛債権、在庫などは流動資産と呼ばれています。資産全体が本来現金化できるものですが、流動資産は「すぐにも現金化が可能」ということが前提になっています。

ところが実際には、すぐには現金にならない流動資産が存在します。在庫で言えば「売り物にならない」在庫品です。言葉を換えると『腐った商品』なのですが、別名不良在庫とも言います。流行遅れで売れる見込のないもの、傷物、文字通り腐ったものなど様々です。

在庫だけでなく売掛金にも、不良売掛金すなわち集金に行ってもなかなか払ってくれない金額が存在します。お互いの帳面に差異があって、こちらの方が売掛が多く、先方が(買掛が)少ないとその差異は払ってくれません。その分がこちら側からすると不良売掛金になります。

手形が期日が来ても現金化されない、これを不渡り手形と言います。前日までは「お金」と同等の価値がありましたが、不渡りになれば単なる紙切れです。不良手形と言っても良いでしょう。その他、不良貸付金、不良仮払金などなど。

そう、流動資産は油断をするとどんどん不良化していくのです。不良化した資産は99%現金化されない、と考えておく方が良いでしょう。そういったものがBSの左側に溜まっていくとどうなるのでしょうか。左右はイコールですから、右にもまた「何か」が増えていくのです。

そうです、その分負債すなわち「借金」が増えるか、もしくは実体を伴わない(単なる計算上の)「利益」が増えるのです。

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決算書のBSは『パンの耳』

標題の「BSは『パンの耳』」という言葉は、私が1987年から MG(MQ戦略ゲーム)を学び始めてしばらく経った頃に、MGの先輩の方から聞いたものです。

通常会社の良し悪しを判断する時には、業績が良いか悪いか、すなわち利益(多くの場合は経常利益を見ます)が出ているかいないか、多いか少ないかを見て決めます。世間にありがちな売上の多寡で判断することは、ハッキリいえば意味がありません。

MGの開発者・西順一郎さんがその著書などでおっしゃっているように、「売上高は役に立たない」わけですので、同業種間での背比べとしては意味があっても、それ以上のものではありません。中には、会社史上最高売上高を達成した翌年に倒産した、そういう会社の例も少なくないのですから。

さて、では経常利益という業績は決算書のどこに書いてあるのでしょうか。言うまでもなく、それは損益計算書(PL)の中に明記してあります。PL上の5つの利益、売上総利益(粗利益)、営業利益、経常利益、税引前当期利益、そして当期利益(次期繰越利益)の内でも最重要な科目です。

また、損益計算書はその会社の(原則として)1年間の経営活動をグロスの数字で表しています。ですから損益計算書は、企業の経営活動を「正確に」表していなければなりません。ですが、この正確にというところにはいくつもの問題点が隠れていることがあります。時にはウソも。

有り体に言ってしまうと、PLは計算上の数字を並べたものに過ぎません。計算結果を書いてあるだけで、確かに表面的な判断はできるでしょうが、恣意的に操作することも可能なのです。

よってPLは食パンで言えば、フワフワとした中身だということができます。小さい子供たちだと、パンの耳を捨ててフワフワしたところだけを食べてしまうかも知れません。サンドウィッチをつくる時には、たいていは耳を切り落としてしまいます。

しかしこの耳にこそ、ホントのパンの美味しさが潜んでいるのです。企業経営の美味しいところも実はこのパンの耳、すなわち貸借対照表(BS)の中にあると言って差し支えありません。その会社の良し悪しはBSにすべて表されている、と言っても過言ではないでしょう。

ところが、このBSが読めない、理解できない企業経営者や経営幹部がいかに多いことか。それでは、せっかくの美味しいパンの耳を捨ててしまっているようなものです。企業の真実がBSの中には書き込まれているのに、それを見逃していてはいけませんね。

というわけで、次回からはBSのことをもう少し掘り下げて書いてみることにいたしましょう。

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棚卸しを合わせる意味

今日は東北地方も梅雨明けし、(梅雨のない)北海道を除いてオール日本が真夏に突入したようです。ここ越後長岡も昼前で気温は32度を超え、今日の予想は35度の猛暑日です。

現役(ローカル会社の社長)の頃は、6月末が決算でしたので、この時期は費用などの振り替え処理、帳簿の最終チェックや棚卸し、そして残高確認が終わっていよいよ本決算に取りかかろうかという時期でした。

棚卸しを含めた残高の確認は、決算期でも最も重要な仕事です。私の会社は衣料品を扱っておりましたので、数は比較的数えやすいのですが、それでも1つのアイテムにサイズがたくさんあって、サイズごとに整理して数える作業はけっこう骨が折れました。

期中に正しく入出荷がなされ、商品の動きと同時に正しく記帳処理がなされていれば、本来棚卸しの誤差、つまり帳簿(コンピュータ)上の在庫数と実地棚卸し在庫数との誤差はないはずです。

年間に余り動かないものや、動いても一時期に集中してしか動かない商品は、この誤差が比較的ないか微々たるものなのですが 、日々少なからず動く商品についてはどうしても誤差が発生してしまいます。チェックミスや記帳ミスが主たる原因なのですが。

いずれにしても誤差は合わさなければなりません。基本は現物の数に合わせるわけですが、たいていは現物が少なく、帳簿から引き算をすることになります。そ して在庫を引き算をすると、その分利益(売上総利益=粗利益以下の諸利益)が減ることになります。

せっかく出た利益を、在庫の誤差故に落としてしまうというのはもったいない話です。当然ですが、棚卸しのやり直しを行って差異をできるだけ詰めていきます。数え間違いや、サイズの間違いでの入り繰りでかなりの誤差が詰まってきますが、それでもゼロにはなりません。

マイナス誤差なら上記のように利益マイナスになりますが、それが余りに大きいとその原因追求が不可欠になります。仕入時の検品ミス(つまりメーカーミス)なのか、データの打ち込みミスなのか、あるいは出荷時の間違いなのかなど、原因を明らかにしておかねばなりませんし、対策も講じる必要があります。

さらに時には税務調査で指摘を受けることもあるでしょう。在庫が合わないことで利益が減じれば、その分払い税金も減るわけなので、税務署も突っ込みどころです。

棚卸しの正確さは、その企業の体質とも言えます。ルーズな企業体質の会社は、大きな棚卸し誤差が発生していることが多いともいえます。倉庫はもちろん事務所や個人の机の周辺が乱雑な会社は、在庫の管理もかなりいい加減です。

理想は毎日棚卸し、業種業態で状況は違いますが、週に一度とか月に一度はキチンと合わせておきたいものです。全商品といかないまでも主要商品はそのようにすべきです。それがまた、次回お話しする不良在庫を防ぐ最良の方法でもあるからです。

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