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連載・『脳力開発と私』こぼれ話(62)

社員が10名そこそこの、とある会社のものがたりです(実話を少し脚色)。


家族的経営といった雰囲気で、業績もそこそこに推移してきた会社ですが、社長には気懸かりがありました。その内の一つがヒトの問題です。


つまり年々社員の平均年齢が高くなると共に、数年以内に定年を迎えるベテラン社員も何人かいます。もちろん、定年後の雇用も本人からの希望があれば実施するつもりです。


それでもやはり若い社員が必要だろうということは、社長自身だけでなく社員も感じていることでした。そこで、中途採用のPhoto_20200123145701 募集をハローワークを通じて掛けてみました。


何人かの応募がありましたが、期待した20代から30代の若い人の応募はなく、いずれも40代後半から50代でした。


求人では原則として年齢や性別を限定することはできませんので、応募者とは一人一人面接した上で断りの連絡を入れました。


ウチのような小さな会社にはやっぱり若い人は来てくれないのかなと、半ばアキラメの気持ちになった頃ハローワークから電話があり、一人の青年が履歴書を持って訪ねてきました。


大学を中退して就職したモノの、2つ3つの会社でアルバイトやパートとして働いてきたそうです。長続きしないで転職していたことは気になりましたが、面談してみるとなかなかハキハキしていて礼儀も正しい青年でした。


社長は話している内に採用を決めたくなりましたが、念のために古参の社員である営業部長にも面談に立ち合ってもらいました。


部長が色々と質問を投げてもそつの無い答をします。社長がその気になっていると気付いた部長も、いいんじゃないですかと言うので採用OKを出しました。


現在無職だというので翌週初めから出社してもらうことにしました。ただ一つ気になったのは、彼が帰る姿をずっと眺めていたのですが、見えなくなる直前にタバコをくわえて高そうなライターで火を点けたことでした。


週が明けてそのK君が出社、朝礼でみんなに紹介して当分は内勤、倉庫での出荷作業の一員としました。商品や得意先を覚えた頃には営業に出そうと考えていました。


最初の一週間余りは何事もなく過ぎていき、K君も一生懸命働いているように見えました。なかなかやるじゃないか、いい社員が雇えたなと社長は部長たちにも話していました。


ところが最初の給料日の日のことです。振込でしたから渡すのは封筒に入った明細書だけです。K君も受け取って社屋の外に出、陰に隠れるようにして明細を見ていたようですが、チェッとつばを吐き捨てました。


さらにタバコをくわえて、くだんのライターで火を点けスパスパ吸ってから投げ捨てました。それが社長の目に入ったのです。


社長はとっても嫌な気分に襲われ、その瞬間からK君への好意的な見方は一変したのです。そうなると、仕事をする態度も何となくだらしなく見えてきますし、丁寧さが足りないように思えます。


そうです、好感から嫌悪感へと180度転換してしまったのです。


最初は相手の良い面だけが目について、それが相手の全人格のように感じていた。今度は反対に悪い点が目につき始めると、それが相手の全人格であるような思い方をしている。


こいうのが片面思考(の傾向)です。一方の都合の良い面ばかりを見てしまうか、あるいは逆に都合の悪いところばかりを考えてしまうようになる。いずれにしてもキチンとものを見ていないということになります。

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