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どのコストに目を向けるか

コストカッターという言葉は、何もゴーン被告のためのものではない。どのくらい前から使われていたのかは知らないが、それほど旧いというものでもないだろう。


私が世の中のことが少しは分かりだした頃、九州の佐世保重工業という会社の再建に当たった坪内ナントカという社長がいた。


その立て直し方法の一つは人員カット、昨今で言うところのリストラだった。Photo_20200116194301


前にも言ったことがあるが、リストラクチャー(再構築)というのは決して人員カットだけを意味するものではないが、いくつかのことが並行して行われる中で最も象徴的な手法だ。


他にも全国あらゆるところの企業で、リストラというコストカットが行われてきた。


ゴーン被告が日産の再建に当たってやったことが、実施初年度で大きな実績を上げ劇的回復(黒字化)を果たしたことで、彼に「コストカッター」の称号が与えられた。


確かにそこまでやるかと言うくらいに激烈なものであったし、それまでしがらみのなかった、しかも外国人であるが故に彼だからできたことと言えるだろう。


しかし、百歩譲ったところで私はそれを賞賛する気にはなれない。もちろん私ごときにできることではないのだが、もし私にその力が与えられて板としても、私にはとてもできることではなかっただろう。


MG(MQ戦略ゲーム)をやってみれば、人件費(F1)・関連経費の大きさをひしと感じることができる。


社員が一人増えるとどのくらいの経費がかかるのかを知らずして経営など成り立たないことは、言うまでもない。ところが、経営者の多くは意外に無頓着だったりする。


あるいはウエイトの大きさは感覚的に知っていても、いざ具体的にどのくらいかということは、経費に占める比率も絶対値も分かっていないことが普通だろう。


創業の際の計画を立てていても、人に関わる経費の大きさにはびっくりされる方が多い。それも自分の取り分を加味しない前でも。


よくぞそんな未熟な知識で会社を立ち上げようとしているなぁと、私などはあきれてしまうことが多いのだが。まさに、勘と度胸と丼勘定でスタートを切ろうとしている。


それでうまくいったら、幸運だったとしか言いようがない。中にはうまくいってしまって、図に乗ってしまう経営者がいたりする。時にはその経営やハウツウを本に書く人がいたりする。


すごいなぁと感心するが、真似はしたくない。経費の中でF1のウエイトが大きいことを、カットの対象としてではなく、重要素なのだという意識で見てほしい。


そんなわけで今日もある会社の幹部研修で、MGを行うことになっている。


MGでは「教えない」ことがインストラクターの原則であるので、講義の中でも事細かには語らない。語ったところで、すぐにすぐは分からないだろうと思っている。


なぜなら私自身がそうだったから。もっとも私の場合は、人が分かり始める時間の倍以上はかかっただろう。


幸い、その過程では「何が分かっていないか」を常に確認できていたので、分かりだしてからは速かった。


さらには、経営者としての現場を与えていただいた、そのおかげで急速に自ら学び取ることができた。


今日の研修の中で、どれだけの方が感じることができるだろう。もちろん大いに期待はしている。


少なくとも、分からないで済ませてもらってはいけないわけで、分かる「第一歩」だけは記していただきたいものだ。

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