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無借金経営は決して万全ではない

昨年も様々な経営者にお目にかかりました。仕事柄、お会いした方の多くが中小企業、それもいわゆる小さな会社の方がほとんどでした。いくつかのご相談ごとも承りました、ありがとうございます。

 

ご相談ごとは多種多様でしたが、主なテーマは社員教育と社内コミュニケーションとか組織のこと、そしてキャッシュフローMGセミナーをやっているせいでしょうか、資金繰りについての悩みもありました。

 

ほとんどのご相談には簡単なアドバイスだけでとどめましたが、中には(こちらの)ビジネスとして短期間だけのサポートをさせていただいた会社もありました。

 

幸いに、12度の現地訪問と何度かのメールのやりとりだけで、いずれも良い方向に向かいました。その後は皆さん、順調な経営を続けておられるようで安心しています。

 

もっとも、少ない例ではありますが、残念な結果になってしまったこともありました。最悪というところまでいかずに済んでいるようですが、悪戦苦闘されている経営者もいらっしゃいます。

 

さて、私にご相談ごとがないということは、事業が順調にうまくいっているということでしょうからとってもいいことですが、ただ少しだけ気に懸かる方がいらっしゃいました。余計なお世話といえば、確かにそうなのですが。


 
実際には何社かあったのですが、代表的な1社でお話を進めることにします。その会社は利益もそれなりに出しておられますし、税金も毎年納付していらっしゃいます。自己資本比率も比較的高い数字です。

 

何しろ、他人資本の主たるものは『未払税金』なのですから。つまり借入金はありません。いや、本当は借入がありますが、それは『役員借入金』であって固定負債には計上されていますが、実質は純資産です。Photo_2

 

社長個人のお金を資本金ではなく、役員借入金の形にしているといえばいいでしょうか。資本金もほとんど社長個人の出資であり、奥様とご子息の持ち分も実質は社長の持ち分といっていい会社です。

 

素晴らしい会社じゃないですか、何も問題はないと思われた方、本当にそうなのでしょうか。確かにBS/PLともに優良会社には間違いありません。しかし、いざという際の備えは必要十分だと言い切れますか?

 

無借金経営は実は怖いのです。順調な時は確かにそれでいいのですが、イザということがいきなり起きたとしたらどうでしょうか。例えば次善災害、地震や台風などに襲われて工場や店舗に大きな被害が出たとしたら。(写真はイメージです)

 

再建に要する資金は足りるのでしょうか、損害保険から補填されるもの、あるいは公的支援もあるでしょう。建物などはそれでいいとして、それらが再建されるまでの社員の給与については大丈夫ですか。

 

ダメになってしまった在庫を改めて仕入れする資金はどうでしょう。つまりしばらくの間の運転資金は、キチンと調達できるでしょうか。無借金経営で銀行とほとんど日頃の付き合いがないとしたら、危ういと言わざるを得ません。

 

銀行は「貸したい会社」を求めているのが現状です。当社は無借金経営ですからと、断り続けていませんか。そういう会社に、銀行はいざという時にちゃんと「傘を貸し」てくれると思われますか。

 

思われているとしたら甘いと言わざるを得ません。日頃から、危急の備えのために複数の銀行とパイプを作っておくことは、経営者の必須重要行動事項です。あなたの会社は大丈夫ですか。

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