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そのプロジェクトはきっと失敗します

昨日くらいでお盆休みも終わり、今日から平常通りの営業再開という会社も多いでしょう。社員の皆さんは大いにリフレッシュした顔で、出社されましたか?

 

経営者であるあなたも心身共にオーバーホールができて、新たな気持ちでスタートダッシュをきれておられるといいのですが。

 

1週間近い休みの中で、普段できない家族サービスやら自分だけの時間を過ごしたり、あるいは明日に向けてのアイディアづくりなど、充実することができておられましたら幸いです。

 

さて、今日は「プロジェクトチーム(PT)」のお話をしてみたいと思います。私自身も現役時代は多くのPTに関わる体験を持ちましたし、経営者としてもPTを主導したり、またコンサルタントとしてアドバイザーをさせていただくこともあります。

 

そんな中で、特に最近は「このPTはうまくいくかいかないか」が、初顔合わせの時にほぼ100%分かるようになりました。現役時代にもおぼろげに感じていたのですが、その時には自分もメンバーだったりしましたから。

 

もう数年前のことですが、とあるクライアントのPT会議にオブザーバー参加しました。たまたまその会社の専務とセミナー仲間で、PT立ち上げの場にお誘いを受けたのです。

 

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専務のお兄様が社長で、まだ40代の後半、お二人の父上である会長から2年前に事業継承したという話でした。社員は全部で100名くらい、営業部門が中心で他は仕入、物流、総務経理、そして開発の部門と分かれていました。

 

そのプロジェクトは全社のコンピュータ管理システムを、1年かけて全面見直しするというもので、ほとんどの部門が必ず何らかの関わりをもつものでした。

 

PTメンバーは各部門から1~2名、そこにPTリーダーの総務経理部長とサブリーダーの営業本部次長が加わって、全部で10数名でしたが、当日は各部門長も加わっていました。

 

私は友人である専務に、お願いとある一つの提案をしていました。お願いはメンバーの簡単なプロフィルをいただくこと、そして提案はメンバーに「どこの誰、なぜ来たか」のスピーチをやっていただくことでした。

「どこの誰、なぜ来たか」のスピーチはMGを体験している方にはおなじみですが、要は自己紹介というプレゼンと、PTに参加するただ今の気持ちを述べてもらうものです。

 

スピーチ自体は一人せいぜい1~2分程度、社長のPT目的の発表に続いて、全員に発表していただきました。その終わり頃に、私は隣の専務にメモを渡しました。そこには「このPTは失敗します」と書いていました。

 

専務は怪訝な表情で私に視線を向けられたようですが、私は無視していました。その間にも議題は次に移り、最後に社長から激励のメッセージがあり、初回が終わりました。

 

終了後にすぐ専務から声がかかり、社長と3人が会議場に残りました。専務から「なぜですか」と口火が切られ、メモを見た社長の顔色が少し変わったようにも見えました。

 

理由は簡単です、と私は申し上げました。要約すればメンバーに問題があるということです。第一に、初回会議に遅れてきたメンバーと部門長が数名いたこと、これなどは言語道断のことです。

 

第二に、各メンバーのスピーチをプロフィルと見比べながら聞いていて、各部門の中心(主軸)メンバーが殆どいないことが分かったのです。もちろん、PT業務に専従しようというメンバーは皆無でした。

 

もっとも、専従云々はメンバーの選択を部門長に依頼する際には、伝えていないようでしたし、社長やPTリーダー自身にもそこまでの考えはなかったようでした。

 

しかし、このPTは会社の将来を左右するくらい重要なプロジェクトです。腰掛けや自分の仕事の合間にといった意識では、いけないのではないかと申し上げました。私がもし社長だったら、即座に全メンバーの入れ替えを命じたでしょう。

 

その後のPT会議には参加しませんでしたので、詳しいことは専務の話からでしか聞こえてきませんでしたが、PTは1年の期限を大幅にオーバーし、しかもどちらかといえばシステム業者の主導で話が進んだとのことでした。

 

私が「T経営のコンサル」だったら社長も真剣に聞いたでしょうね、と専務に少し嫌みを込めて言いましたら、かれは苦笑いをして「あとはうまく運用しますよ」と応えていました。

 

あえて、皆さんにも申し上げます。PT成功のカギはメンバーにあります。少なくとも最精鋭のメンバーで構成をして下さい、しかもできれば専従に近い形で。専従できないまでも、PT最優先で動けるようにしていただけますか。

 

大企業では、「PT出向」という形をとるところもありますね。小さな会社では無理だと言われますか? そんなことではいつまでもオンリーワンにはなれませんよ。

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