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変動原価計算書も配賦でダメダメ

全部原価があなたの会社をダメにする(その4)
 

ここまで3回に亘って、「全部原価(FC)の弊害」について述べてきましたが、それは決して全部原価を否定するものではありません。あくまで税務申告、その前提となる企業における経理処理については、このFCに準拠してやらざるを得ないわけですから。
 

しかしながら、その日(の生産活動)が終わってみないと本当の原価が分からないとか、それでは困るので標準原価などの便法を用いるとなると、ちょっと待てよ、そんな会計の数字は経営に使えないではないかと、疑問を感じるのが当たり前です。
 

早い話、同じものを1000個作るのと2000個作るのとでは原価が違う、ことをおかしいと思いませんか?その2つを店頭に並べて、それぞれの原価(計算)に従って売価を付けて売ったら、お客様は首を傾げるのではありませんか。
 

そこで疑問を感じた専門家は、変動原価計算(書)なるものを作り始めました。
 

つまり、原価に含まれる労務費を直接労務費と間接労務費に分け、同様に製造経費も直接製造経費と間接製造経費に分ける。その内に「直接」分だけを原価に組み込むというのです。
 

例えば直接労務費とは、製造に直接携わるワーカーさんの給料などですし、そうでない製造部内の事務屋さんなどの給料は間接労務費にしようというわけです。
 Fc_dc

電気代も、工場のライン内の照明費や機械の動力費は直接経費とし、製造部内の事務所や機械にないところの電気代は間接経費にしようと。いかにも合理的に見えますが。(写真資料は「原価計算超入門より引用)
 

で、何をやるかというと、これが悪名高き『配賦(はいふ)』なる処理です。それぞれの科目について、直接・間接に振り分けをしていくのですが、これは大変な作業です。また、そんなに厳密に分けられるものばかりではありません。
 

分電盤が1つである場合、例えば照明費という電気代はどう分けるのでしょう、蛍光灯の数とかで分けるのでしょうか。パソコンの電気代は設置場所で按分する?
 

労務費にしても、工場長がラインのメンバーでもある場合には、仕事をする時間で区分していくのでしょうか。いつも事務をやっている人が、ちょっとだけラインの応援に入った時にはどうする?
 

余りに煩雑でさじを投げたくなるでしょう。そこで、何だか訳の分からない「配賦ルール」を作っておいて、それこそ「適当に」按分していくのです。それは果たして科学的でしょうか。
 

私にいわせればウソのかたまりです。FCがウソの塗り固めなら、変動原価計算なるものもそれに輪を掛けたウソのかたまりです。そんなものは、高いお金を払って作ってもらわなくてもいいです。
 

ではどうしたらいいのでしょう。
 

カンタンです、材料費以外のものは全部「(間接)経費」にしてしまえばいいのです。そんな乱暴な、と言われることが多いです。でもそれが正解です。
 

中には、外注費は原価に入るのではないかという方もいます。はい、完全外注仕入ならそれもありでしょう。しかし一部加工などの外注なら、その外注は経費に入れてしまいましょう。
 

残業代はとか、パートさんの時間給あるいは製造過程の移動運賃などは変動費、つまり原価に入るでしょうと言われますが、そんなものも一切合切原価から外しましょう。
 

そうやって、スッキリした製品個数に比例する原価にしてしまうのです。極めてわかりやすく、科学的で合理的な、誰でも分かる原価になります。その上に正しい「経営の数字」になります。
 

この数字は経営の役に立ちます。やるかやらないかは、経営者たるあなた次第ですが。

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