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全部原価があなたの会社をダメにする(その1)

全部原価については、かなり以前にも書いたことがあるのですが、久しぶりにまとめ直してみることにします。

 

そもそも企業の原価計算なるものの問題なのですが、その手法に全部原価計算(FC)と、直接原価計算(DC)なるものがあるというのです。おそらく、多くの企業経営者は知らないか、あるいはちょっと聞いたことがあるとか、本で読んだことがあるという程度でしょう。

 

特に関係があるのは、いわゆる製造メーカーです。流通・サービス業では、このどちらであっても(意識などしていなくても)ほとんど問題はありません。

 

製造メーカーの経営者も、どっちがどうなのかとかは普段考えたことはないでしょうね。原価計算などは、生産管理の担当者あたりがやる仕事で、経営者の自分はその計算結果だけもらえば十分だというところでしょう。

 

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税理士さんからいただく試算表や、もちろん毎年の決算書や申告書もFCで計算されて作られます。なぜなら、法律が「FCでやれ」と言っているのですから。それ以外にはやりようがない、などと思っておられるのでしょう。(写真の図は「原価計算超入門」より引用させていただきました)

 

それでも最近、税理士(事務所)から渡される資料に、「変動原価計算書」なるものがあるなあと気付いておられる方もあるでしょう。通常の試算表とは違う数値になっている、どうして?と思われたりしていませんか。

 

そこで顧問税理士あるいは事務所の担当者に尋ねると、「それはこうこうです」と説明されますが、ふんふんと聞き流しているのでは? どうしてそんなものが必要なのか、それもよく分かりません。

 

まぁ、私に言わせれば、その「変動原価計算書」なるものも中途半端で、あまりものの役には立たないと思っていますが。

 

世の中では、FCが先に誕生しました。というか、最初に原価計算という計算システムが考案されますが、それは全部原価計算(FC)だったわけです。

 

ところがある時アメリカで、とある企業経営者がヘンだと気付くのです。なぜなら、前月は売上高がかなり上がっていたのに、今月は大きく落ち込んだ。それなのに、前月より今月の方が利益が多い、どうして!?

 

頭の良い経理担当者が、それではこのようにしてみましょうと頭をひねって考えたのが、直接原価計算(DC)でした。その方法で原価計算して試算表を作ったところ、売上の多い前月の方が、落ち込んだ今月より利益が多かったという「当たり前」の結果になりました。

 

多くの企業経営者は、もうここで頭の中に???マークが連続していることでしょう。でもこれは本当の話です。

 

そしてこれも本当の話です。かつて私がサポートした製造業の会社ですが、毎年僅かずつですが利益(経常利益)を計上し、きちっと納税もしておられました。優良会社として表彰されたこともあります。

 

ところが、経営者の方が上のアメリカの会社のような状況に気付かれたのです。私に問い合わせがあり、一度原価計算をDCでやり直しましょうかとサポートしたら、なんと3期連続の「赤字決算」という結果が出たのです。

 

実際、その社長は「最近資金繰りがきつくなった」と感じていると言われ、そのあたりも精査したら、当然そうなっているだろうし今後とも大変だという結果が見えたのです。

 

多分、多くの製造会社が似たような状況下にあるのではと推察しています。あなたの会社は大丈夫ですか?<次回に続きます>

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