« 脳力開発は人間学であり行動科学です(116) | トップページ | 大口得意先に対する決断(その2) »

大口得意先に対する決断(その1)

A社にとって、Z社は大口の得意先で、年間の売上高は1千万円を超える年もあります。それもあって、営業部長が担当していますし、注文出荷対応も最優先のランクです。A社長も毎年新年には表敬訪問を欠かさず、お中元やお歳暮も必ず届けています。

ただいくつかの問題点もあって、第一に売上高は上位ベスト5に入るのですが、その割に粗利益率が低いのです。何とか正規の値段で買っていただこうと交渉するのですが、それであればとすぐにリベートなどを要求されます。売り出し協力と称して値引きを要求されたり、チラシ代を請求されます。

第二に支払いがあまりいいとは言えないのです。平均の回収率は30%前後、常に多額の売掛金が残ってしまいます。しかも支払いは為替手形、もちろん印紙なども貼ってくれませPhoto ん。売り出しの後にもう少し多く集金したい旨を伝えますと、「うちと取引したいという問屋も多いんだよな」と言われてしまう始末。

A社長自身も部長と一緒に訪問し、卸価格の僅かなアップや回収率の改善を申し入れましたが、そのセリフで切り返されてしまい、言い返せる言葉もなくすごすごと戻ってきました。その町を中心とした地域では断トツの一番店ですし、知名度も抜群です。

ある日、経理の担当者からZ社についてこんな話がありました。A社では毎年期末の2か月前に、「売掛残高確認書」を全ての得意先に送って、確認をしてもらって確認書を送り返してもらっています。

ところが経理担当の話では、Z社は返送してくるのは2年か3年に一度で、直近で送られてきたところ、200万円近い不突合があるとのメモ。そこで、営業部長がそれを正しに行ったところ、「その分はオタクで処理してよ」とのこと。つまりはその分値引きをしろということです。

ここに至って、A社長は決断しました、「Z社との取引をやめよう」と。営業部長はそれは困るなぁと言いましたが、社長の決心は変わりません。少し前に信用調査をした資料には、まずまずの点数が表示されていましたが、A社長はZ社が「決算書提出なし」の文字に違和感を感じました。

また、Z社の社長が公職や団体の役職がやたらに多く、借入金も少なくなく、売上高の割に買掛金や支払手形額の多いことが気になっていました。また、訪問した際に見た店頭の在庫が多いなと感じたことや、バックヤードの在庫に古い商品が多いことに気付いていました。

確かに1千万円の売上高がなくなることは、A社にとってはかなりの痛手です。先代の時からの古い取引先でもあります。しかし、Aさんは断を下しました、「現在の売掛金についての支払いが終わるまで出荷停止」と。社長名で、その旨の通告書を送りました。そして、連絡が来たらすべて「私につなぐように」指示しました。
(つづく・写真はイメージです)

« 脳力開発は人間学であり行動科学です(116) | トップページ | 大口得意先に対する決断(その2) »

小さな会社のマネジメント」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/107188/64558473

この記事へのトラックバック一覧です: 大口得意先に対する決断(その1):

« 脳力開発は人間学であり行動科学です(116) | トップページ | 大口得意先に対する決断(その2) »