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事業承継には時間がかかるのですよ

最近のサポート相談ではありませんが、時々耳にする話でもあります。それは事業承継した後で、前経営者(たいていは父親)が何かと口をはさんできて、ついつい言い争いになってしまうということ。家の中でならまだしも、会社の中で社員のいるところでやられるので、何とかならないかと。

商工会議所で中小企業の支援コーディネーターをやっていた際には、毎月のように事業承継の話を受けましたが、ぎりぎりになってからという事例も少なくなかったですが、こういう場合には前経営者がなかなか現場から離れないことがあります。

さて、事業を受け継いだ側からいうと、せっかく重しが取れて青天井になるかと思ったら、豈はからんや、何かと口をはさんでくるし、時には社員にも直接に仕事の指示をしていたりすPhoto る、とんでもないことだと。経営のことでアドバイスしてくれるのはありがたいが、少なくともそれだけは勘弁してほしいと。

事業を引き継がせた方としては、新たな経営者(たいていは子供)のやることが歯がゆくてしょうがないのでしょうし、何もかもスパッと譲ってしまい、完全に口を出さないということは実際には難しいことかも知れません。それでも相談されるまでは、あるいはギリギリのところまでは見守る姿勢が肝心です。

何より、社員の皆さんがじっと様子を見ています。社員さんばかりではなく、周りの方々も、仕入先やお得意先なども固唾をのんで見ているはずです。それこそ、せっかく引き継がせた新しい経営者の評価を落とすことになっては、元も子もないでしょう。

第一に考えたいのは、事業承継には時間がかかるということです。最低でも3年くらい、できれば5年、そして承継のプランを作って引継ぎする相手に伝えるのは10年前に、というのが理想的です。

私の知っているある経営者は、65歳で承継する計画書を55歳の時に作り上げ、長男にそれを示して承継の確認を得てから、本格的な経営者教育を始めたそうです。3年前に、すなわち62歳の時に社員さんを全員集めて「式」を行い、まず経理印を引き渡したそうです。

その日から主要なお得意先や仕入れ先を一緒に回り、取引銀行にも挨拶を重ね、1年前に実印を引き継ぎました。これなどは、内外に示す意味のほか、承継者の覚悟を促すことにもつながります。それだけ時間をかけ、一緒に仕事をする時間もありましたから、最後に承継の式典を行った後は、会長にはなりましたが代表権は返上しました。

もちろん、現場の仕事には一切口は出しません。ですが、後継社長は家に戻ると大事なことは報告してくれます。時にはアドバイスを求めてきます。ですから、わざわざ会社に出向いていく必要もなければ、たまに現場に行っても社員さんに笑顔で「元気か」と声をかけるだけです。

3年後には会長も退いて、取締役にもとどまることなく、会社の行事やゴルフの会に顔を出すだけで、もちろん経営も順調だそうです。

そんなのって理想だよというなかれ、ちゃんとやっておられる会社も多くはないが、あるのですから。70歳や80歳で現役社長、それも元気な証拠でいいのですが、早めに跡継ぎを決めたらと思うことも多々ありますし、退いてからも「老害」的存在になっている方を見ると、晩節を汚さぬようにと祈るばかりです。

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